ET3のエンジン焼き付き修理 その3

今日は仕事が休みだったので、洗浄したシリンダーとピストンをPパイセンに積み込み市内の内燃機屋さんに持ち込んだ。

前日電話でクリアランス等について問い合わせたところ、ピアジオの規定値(ET3のクリアランス値は0.19mmなのだそうだ)を聞いた職人さんは「んー、広過ぎる気がするな…、今まで付いてたピストンも持ってきてもらえますか?」との言葉を頂いたのでその通りにする。
ちなみにピアジオの規定値はウガガさんに教えてもらった値で、一覧表的にページにまとめられているようなのでリンクを貼っておきます。


僕、シリンダーを自分で内燃機屋さんに持ち込んで作業してもらうの初めてなんです。昔、ボアアップピストンの販売元に送ってボーリングしてもらった事はあるんだけど。
職人さんと相対する時はいつも少し緊張する。気難しかったらどうしよう、とか、頓珍漢な事言って呆れられないかな、とか色々考えてしまう。
そんな訳で若干キョドりながら入り口を入ると、いかにも南部男児然とした寡黙な雰囲気の職人さんが静かな笑顔で出迎えてくれた。


早速シリンダーとピストンを見せ、やはりメーカーの規定値は0.19mmみたいなんですよーと話すと、職人さんは古いピストンをシリンダーに入れたり、それに新聞紙をちぎって挟めてみたりしていたが「ちょっと測ってみますか」と言ってボアゲージでシリンダーの内径を測り始めた。
あちこちの部分にゲージを当てては首を捻る職人さん。曰く、これ、古いピストンとのクリアランスも0.19mmないですよ、との事。販売元(ウガガさん)から内燃機屋さんもノウハウ持っているだろうから相談して決めて下さいと言う旨は伝えられていたので、それじゃいい按配でお願いします、と話して預けてきた。
今週中には出来上がってくるみたい。




バラした部品を検証していて気になった部分。ET3(P200Eも)のコンロッド小端部はローラーベアリング支持なんだけど、今まで付いていたベアリングと小端部のガタが大きいのだ。斜めにもカタカタ動くし、素人目にもガタありすぎなんじゃね??と映るくらい。

んーどうしよう??とWebを彷徨って調べてみると、どうもこのベアリングは消耗品で、エンジンO/Hの際は交換が必須との記述を見つけた。なるほど。
高いものでもないし早速ウガガさんに発注して新品を入手、コンロッドと合わせてみると、まあ確かにガタは全然小さくなっている。ほー。

というか、こういう大事な部品が2万kmの走行でこれだけヘタるってのにびっくり。シリンダーやピストンリングの磨耗がさほどでもなかったから、ベスパのエンジンって意外と丈夫なんだなーなんて思ってたけどやはり消耗する部分はしっかり消耗するんだね。ま、当たり前か。

これ、特にチューニングを施したエンジンじゃなくても、1万kmに1度は腰上の状態は分解して確認した方がいいのかも知れないね、構造はこの通り簡単だから、各部の状態をチェックして清掃して組み直すだけでも使える距離や時間は長くなりそう。


と、いう事を今回学びました。





続きます。








一部で「黒いスタンド・バイ・ミー」と呼ばれている映画。Boyz N the Hood。久しぶりに観たらものすごく刺さった。
Hood、という単語はこの場合食べ物のフードではない。地元、育った街(neighborhoodより)という意味から、スラング的にスラム、ゲットーの事やそこに暮らす不良達の事を指したりもする言葉だ。だからこのタイトルを直訳すると「ゲットーに暮らす少年たち」くらいの意味になる。
サブライムの2nd.アルバムのタイトルは”Robbin’ the Hood”だったけど、この場合のHoodもこの意味。ロビン・フッドに引っ掛けたまあカッコいいタイトルだったよね。




映画「スタンド・バイ・ミー」は、白人の4人の少年が、どこかにあると聞いた死体を探して冒険に出る物語だったけど、Hoodではそんなのは冒険ではないし物語にも何にもならない。幼き頃の主人公達は、映画が始まって普通に5分で射殺体に出会う。痛烈な皮肉だけど、以後物語は常にこのスタンスで進む。

不良の兄貴を演じるIce Cubeがかっけーんだ、’63のインパラがよく似合う。この頃まだN.W.A.で活動してた頃だと思うけど、その辺の俳優に負けないくらい存在感がある。

そして主人公のお父さん。訥々と諭す言葉は、Black Lives Matterで騒がしい現代にも通じる。
というかこの映画、30年前の映画だけど、根本的な事は何にも変わってない国なんだなアメリカって。何なら公民権運動が盛んだった’60年代から。

いい映画、とは言えないけど、心に深く刺さる映画です。定期的に見返さないと、って思わせてくれるような。






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