続・生前贈与&Fender Blues Junior

年末に久しぶりに娘からLINEがあった。曰く「エレキギターが欲しいんだけど何を買えばいいか分からないから教えて」。
実は、娘がちょっと前にアコギを買ったという話は耳にしていたんだけど、もっと弾きたくなったのかな?情報が少なすぎるので少しトークのやり取りをして話を聞き出す。

どうも入手した中古のアコギはネックが反っていて弦を押さえるのが大変だったみたいで&元々弾きたいのは大好きなバンドのエレキギターのフレーズだった様で、エレキが欲しいってなったみたい。
なるほど。


実は手元に弾かないエレキが埃を被っているのだ。それはどんなギターかというと、僕が高校生の頃初めて買ったギターで、何なら一度息子にあげたものだった。

この記事だね。


結局息子はギターには殆ど手を触れず、僕が家を出る時に、残していったら粗大ゴミの日に捨てられてしまいそうな空気だったので、他の荷物と一緒に今の家に持ってきたのだ。

娘にこのギターあげるよ、って言うのは簡単だったんだけど、やる気を試すわけではなかったんだけど僕は様子を見る事にした。
身銭を切らないで手にした物って意外と大事にしなかったりするし、息子にあげた時の失敗(って訳でもないけどさ)で学んで、あげるにしてもプロセスを経てからにしようと思ったのだ。


まずはSquire(Fender社の安価なラインのブランド)のWebサイトのリンクを送り、この辺ならしっかりしてるし間違いないと思うよ、と伝えた。
娘はFender社の名前は知っていたみたいで、意外と安く買えるんだね、考えてみるありがとう!となってその時のやり取りは終わった。


しばらくしてからまた娘からLINE。なんと娘、ギターを見にお茶の水まで行ったらしく、そこで一本のテレキャスターに一目惚れしたって写真を送ってきた。
それはボディが朱色で指板がローズウッドの、確かに別嬪さんなギターだった。ああこれはおとうも一目惚れするかも、素敵なギターだね〜って返したら、でも値段が高くて悩んでる、って。
17万とかだったかな、確かに1本目のギターとしては高価だね。しかしあなたリアル丸の内サディスティックみたいな事してんねってふたりで笑って、ゆっくり考えてみたらいいよ他に何か聞きたい事あったら何でも聞いて!分かったありがとう!ってなって、その後アンプの事とかたまに質問のLINEが来てその都度調べて返信して、みたいなやり取りが続いた。



最終的に娘は、最近渋谷に出来たFenderのヘッドショップにまで行ったらしい。で、やっぱり高くて買えない><、ってなった。

ここで満を持して件のストラトキャスターが登場する訳です。
「あのさあ、オレ使ってないギター持ってんだけど。それ弾くかい?良かったらあげるよ!」
「欲しい!」
そんな経緯で続・生前贈与が成立。当然息子には断りを入れたよ、妹の事が大好きな息子はいいよいいよ!ってダチョウ俱楽部みたいなリアクションで快諾してくれた。




僕が高校に入学した時に買ったギターだから約40年前の、立派なジャパンヴィンテージ。娘に渡す前に埃を落としボディを磨き、指板にはレモンオイルをたっぷりと塗って弦を張り替えた。
音を出してみたけどポッド類のガリ音もなく意外とちゃんと鳴る。フロントに正体不明のハムバッキングを付けちゃったがセンターとのハーフトーンもしっかりとこなす。テレキャスターカスタムならぬストラトキャスターカスタム。
ちょっとネックが反っていて弦高が高いが、娘なら自分でちゃんと調整して弾くだろう。




で。
娘の質問に答えるために久しぶりに楽器界隈をネットサーフィンしていたらどうしても欲しくなって、僕がアンプ買っちゃったんです。FenderのBlues Juniorってアンプ。ある意味娘の影響だね。
僕はギターよりもどちらかというとアンプに興味がある。特に真空管アンプね。Fender系の真空管アンプにずっと憧れていて、プリンストンリヴァーブ欲しいなってずっと思ってたけどそれこそ値段も高いし、あのアンプマスターヴォリューム付いてないんだよね。家弾きには使いづらいかなって買えずにいた。
このBlues Juniorってアンプ、やたら評判良くって、マスターも付いているしヴィンテージのリイシュー買うよりもニートかなあ、と。毎日頑張って仕事もしているし、自分へのご褒美の意味合いも込めて買いました。

20年前30年前に買った僕のメインの相棒とツーショット。Vシリアルのアメリカ製です。当時はUSA製も安かったんだよね、こいつも13万円くらいで買った記憶がある。まだ学生だったかな、もう働いていたか、いずれにしろその金額も払えなくて24回払いフルローンで買った記憶がある。

もう何年もちゃんと弾いていなかったから指もさっぱり動かないけど、いい音で鳴るからポロポロコード弾きしているだけで気持ちがいい。想像していたよりもずっと大きくて重かった事以外は大満足しております。




件のギターを渡す時に久しぶりに飯でも食わないか、奢るし、と申し出たら娘は快諾してくれた。2年ぶりで会った娘はコンタクトにしてほんのり化粧していて少し大人びていた。そりゃそうか、もう21歳だ。
旨い飯を食べながらしょっちゅう行っているらしい埼玉に住む息子の話やFenderのヘッドショップの話で盛り上がった。渋谷のFender、大層オシャレな空間だって。3階がカスタムショップのフロアらしいんだけど店員全員スーツらしいぞ、ジュエリーでも売ってるのか。笑

Bump of Chickenというバンドのファンなんだって。ライブを追っかけて名古屋?や福岡にも行ったとか。




Bumpがいなかったらダメになってたかも知れないなーなんてサラッと言う娘を見て、自分に似てるなって思った。息子はどちらかと言うと元嫁似だけど、娘はいいところも悪いところも僕に似てる。
僕よりもずっと努力家だし聡明だから僕みたいなアホな人生は歩まないだろうけど少し心配だね。笑

Apple Musicの履歴を見るとダントツでBumpを聴いている時間が長いとの事、オレもそれこそ一番回数聴いたアルバムは文句なく無罪モラトリアムだよって話した。Bumpの追っかけで福岡に行った時、百道浜に行こうと思ったんだって、天気が悪くて行けなかったらしいんだけど。そういう所も似てると思う。
おとうは「正しい街」を聴くと今でも泣きそうになるよって事は言わないでおいた。子供達は僕がバキバキの陰キャだって事にまだ気付いていない。


息子も含めて、なんでこんな社会不適合者が父親でこんなにマトモに育ったのか分からないが、元嫁がしっかりしていたと考えるのが正常な思考だろう。
僕が手渡す事が出来るのはポンコツのギター一本だ。多分普段は全く役に立たないが、人生のボーダーラインに立った時きっと支えになる。その時の為の杖だよ、役に立つ時が来ない事を祈ってるけど、万が一の時は頼りなよ、絶対に折れないから。











2 comments on “続・生前贈与&Fender Blues Junior

  1. ほんごう

    どもです、いつも見てます。
    前記事にコメント残してましたね。
    生前贈与、親子で弾き継がれる事でギターも生かされてイイですね。

    • ヨコチン Post author

      ほんごうさん、ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
      そうなんてすよねー、結局息子はほとんど弾かなかったけど娘は弾いてくれそうなのでギターも喜んでいると思います。
      ついでに僕もアンプ買っちゃったりして。笑
      忙しくてあまり弾けてませんが、、、。

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