ET3の整備2024 その5

仕事の合間を縫って作業しているET3の整備ももうそろそろ2ヶ月。寒さも本格的になってきたし、雪が降り出す前にカタを付けたいところだ。
フロントフォークとスタンドをタイダウンで縛り(ジャッキアップ時のスタンド跳ね上がり防止)作業再開です。




こちらからの続きです。


SIP製のプレッシャープレートに付け替えて試走したのだが、漏れなんてレベルじゃなくオイルが溢れてきた。なんじゃこりゃ?と思い、再使用したガスケット(bgm製の高級なやつ)の説明書きを読むとどうも再使用不可のガスケットだったらしく。
ガスケット面にジェル状のものが塗られていて、締め込むとそれが潰れて機密性を高めるらしいんだけど、それが故に一度締めてしまうと再使用が出来なくなるという事みたい。
またまたガスケットを発注し、到着を待つ。

でもケースの中はエンジンがかかっている時結構な勢いでオイルが掻き回されているんだねー。じゃなきゃあんなに溢れてこないもんな。勉強になります。



(今度はリビエラクラシックさんから)届いた紙ガスケットを使い超慎重に組む。今回の作業でリアブレーキのバックプレートとクラッチカバーは何度脱着したか忘れるくらい組み直した。相変わらずスキルは上がらないが根気は多少付いた気がする。

写真でいう一番右側のボルトを締めている時、ヌルッとした感覚があった。あ、ナメちゃったか、と思ったが、6本もボルトあるんだから大丈夫だよなーって変なポジティブ思考でそのまま組み付け、試走に出る。

案の定、全然大丈夫じゃない。オイルでケースが濡れるのが分かるくらい漏れてきた。がっくし。
3歩進んで2歩下がるどころじゃない、ここ一月位延々とその場で足踏みしているよ僕。参るね。久しぶりにリコイル使うのか、ちゃんと出来るかなー。




更に後日、リコイルを入手。この部分はM6、1.0ピッチのボルトが使われているんだけど持っていなかったので。
高かったなー、9000円くらいした。飲み屋を2軒ハシゴ出来る額だ。そういう事は深く考えない事にして淡々と作業を進める。




切り粉がケースの中に入らないように簡単に養生して、付属のドリルで穴を広げ、専用のタップを立ててリコイルの駒用のネジ穴を掘り、駒を埋め込むという作業。ここで失敗したらケースがダメになってしまう。めっちゃ緊張したが出来る限り慎重に作業する。




ボルトの締まり具合がイマイチだったので全部にダイスを通して修正。これ、ちょっとでも怪しいと思ったらやった方がいいね。特にケースに刺さるネジ穴はアルミが相手だから余計に。
焦るとロクなことが無いのはバイクいじりに限らずだねホント。




クラッチワイヤーもざっと張ってからアジャスターで微調整する。で、超緊張の試走に出る。
これでオイル漏れたらもう打つ手なし、ケース替えるしか復活する道はない。

10kmくらい先のコンビニを目指し走る。異音なしクラッチの切れもよし、信号待ちでちょくちょくリアタイヤを覗いてみるが漏れ跡は確認出来ず。
無事コンビニに着き、めっちゃドキドキしながらエンジン下を覗き込む。そしたら、、、




漏れてない!!うえーい!!!

良かったー、とりあえず修理完了ですよ僕のポンコツET3。
オイル漏れだけじゃなくクラッチ周りの事とか少し様子を見るけど、今のところ快調に動いている。登坂で全開にしてみたりしたけどオイル漏れは確認出来ず、ライニングを交換したブレーキも鳴きもなくよく効く。
機械ってちゃんと組めばちゃんと機能するのね。まあそれが簡単じゃないって話なんだけど、、、。




少し作業を振り返ってみたい。
POLINI製のクラッチスプリング、なかなかです。ワイヤーの調整をうまくやるとちょっと感動するくらいスパッとクラッチが切れる。プレッシャープレートで押されたクラッチユニットが平行に動作しているからなんだろうけど、これは純正スプリングとは段違い。ギアの入りもずっと良くなった。
ただクラッチ操作はかなり重たくなる。




crimaz製のラック&ピニオンkit。劇的にクラッチ操作が軽くなる。が、組み付けにはちょっとしたコツというか注意するところがある。
まずはレリーズアームの角度。純正はここの角度はなるようにしか組めないけど、このkitは任意の角度で組んでやらなければならない。純正の角度を記録したり、何度か仮組みを繰り返すなどの工夫が必要。
また、レリーズシャフトとピニオンギアを組む際はメーカー指示でロックタイトを使うのだけど、ここの固定がしっかりされていないとピニオンギアが割れるトラブルが起こる事があるらしい。
実物を目にすると理解出来ると思うけど、中空のピニオンギアは内歯でレリーズシャフトからの入力を受け、外歯でそれをラックギアに伝える。その力がピニオンギアの穴を広げる方向に作用するんだな。ロックタイトでの固定が不十分だとそれでギアが破断してしまう。
僕はロックタイトは嫌気性の603番を使い、更に塗布後1日以上置いて完全にロックタイトが乾燥してからエンジンをかけた。




そしてクラッチカバーのOリング、換えるの少し大変だけど、クラッチカバーを開ける作業をしたなら換えておいた方がいいかも。
僕みたいに何度もクラッチカバーを開ける方が手間です。笑




そんなところかな、勝利の一服の味は格別でした。これがあるからバイクいじりはやめられない。

さて、一休みしたらV50のレストア作業を始めます。



















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