Joyride

For the people who want to go somewhere, not here!

カテゴリー: Books (page 1 of 3)

点火系不具合無間地獄

今年は暖冬。もうその一言に尽きる。なのでバイク趣味は通常営業。
だって2月半ばだってのに今日は10度近くまで気温は上がった。昨日なんて12度とかだよ?乗るなって方が無理。状況が許す日はET3でバンバン走り回ってます。
SRは、車検だったんだよね、で、そのタイミングに合わせてマフラーのエキパイを再メッキに出したら納期が意外と長くて乗れてない。月末には上がってくるだろうからその時は改めて記事を起こします。




で、ET3。1速2速でワイドオープンにした時や登坂など負荷がかかった時にプツップツッと失火する症状が出てて。平地で4速で走っている時は全然問題なく走れるんだけど、それプラス、アイドリングの落ちが悪い時がままあって。一度信号待ちでぶわーんって吹けちゃったまま全然回転が落ちない時とかもあって、これの原因って関連してんじゃね?と目星を付けたのがピックアップコイル。
まずは抵抗値を測ってみるかって事でテスターを当てると数値は問題ない(コイルに来ている配線の赤白間で100Ω前後)。うーん。でもまあ高い部品でもないし取りあえず交換してみっか、って事でウガガさんに部品を発注して本日作業。




もう慣れたモンでサクサクと作業する。が、クランク軸に付いているスピルキー(半月キー、ウッドワフキーとも)を地面に落としちゃって、それを探すのに30分位かかった。別に外れる仕組みになってなくてもいいのにって思うんだけど、あれ何か意味あるんすかね??知ってる方いらっしゃったら教えて欲しいです。




そんなこんなありつつ組み付け、エンジンスタート。空吹かしでは吹けはまずまず。手を洗って着替えて試走に出かける。

…うーん、良くなってない。というか、より悪くなってる。今まで出ていなかった3速でも失火の症状が出る。しかも高回転で吹けない。登坂も力がない感じで登らない。まじか。

画像の通りプラグの焼けがイマイチなんだよね、これ前から気になってたんだけど。近場ばかり乗ってるからかな、なんて思ってたんだけど、30分くらいいいペースで走ってもやはり綺麗に焼けない。
試しに車載してある中古の予備プラグに変えてみたところ調子いい。え、これもしかしてプラグが原因だった??帰宅後ストックしてある新品のプラグに換えたらなんの事はない絶好調。なんだよーそれ。エンジン回転の落ちが悪いのは少しアイドリングを下げ目にしたら多少落ち着きました。

失火とアイドリング不調のふたつの不具合を結びつけちゃった思考回路が今回の敗因。まあ無事治ったからよしとするか。もう少し暖かくなったら腰を据えてキャブのOHします、しばらくやってないもんなー。


トラブルシューティング、難しいすね。面白いけど。




負け惜しみ的に、ウガガさんから一緒に取ったマッドフラップを取り付けて溜飲を下げる。機能に関係ないオシャレパーツを付けるのってあまり興味ないんだけど、ピンクナンバーに水色の市松模様って合うんじゃね??とか思い付いて付けてみました。悪くないなー。あ、当然ポン付けじゃないです、ステー買ってきたりドリルで穴開けたりの小加工が必要でした。

スモールボディ用のクラッシュバー探してるんだけど、今作られてないみたいね、さっぱり見つからない。家にある3台のバイクの中でなんだかんだ言ってこのコが一番可愛いな、いい感じで手が掛かって。





この映画知ってる人いるかな?宮藤官九郎が若かりし頃脚本を書いて撮られた映画。運良く若い頃に見る事が出来て、最近観直したらやっぱりすごく良くて、一時期酒飲みながら毎晩観てた。
シェアしたトレイラーはちょっと軽い感じだけどテーマは重い。在日韓国人の男の子と日本人の女の子の恋物語。現代版ロミオとジュリエット。きっと今でも現在進行形でこの国のそこここで起きている物語。一度でも熱烈な恋をした事ある人なら絶対にハマる映画なので引っ掛かった方は是非。




原作は金城一紀さん。この小説で氏は直木賞を取った。
毎晩酔っ払って映画を観ながら泣いている父親を不審に思ったのか不憫に思ったのか分からないけど、娘が古本屋で見つけて買ってきてくれた。
先に読み終えた娘に、どうだった?と聞けば、めっちゃ面白かった、と。ふふ、こいつ僕に似てるんだよな。

小説は小説で面白かったです、こちらも興味ある方は是非。









読了「ルポ川崎」

 

僕は、東北地方を出て住んだ事がない。子供の頃から引っ越しが多い暮らしだったんだけど(小学校だけで都合4校に通った)、それも子供の頃に住んだのは各県の県庁所在地だけで、あちこちで暮らした割にはあまりこの国の他の地域の事を知らない。

20年前に岩手に越して来てからは、10年くらい地方都市にも住んだ。特に沿岸の街で暮らした数年間は、僕の今までの人生の中でも一番楽しかった時期だった。
都会に住んでいる人には想像出来ないかも知れないけど、陸前高田にあった妻の実家のすぐ脇に用水路が流れていて、そんな所にも秋になれば産卵の為にシャケが遡上してきた。住田町にある本家に行けば、本当に綺麗な小川を挟んで牛舎があったりね。その本家のトイレはつい最近まで家の外にあった。そういうのが普通なの。
大船渡、陸前高田、住田町、宮城県の気仙沼まで含むのだろうか、は「気仙地区」と呼ばれていて、そこに暮らしている人は気質が明るい人が多く、いい意味で田舎ならではの人情味もあって。人と人との間にいいヴァイブスが循環して再生産されているというか。本当に居心地が良い土地だった。

 

まあ僕はそんな感じの人なんです。経験知的にもメンタリティ的にも根っからの田舎住みのそれで、たまに東京なんかに行くと、あり得ない程の人の多さと延々と続く市街地に圧倒され疲れちゃって、二日も居れば家に帰りたくなる。そこに過ぎている時間の速さも人々のテンションも、40数年間培ってきた僕の常識とはあまりに違い過ぎて。

 

でもそんな僕も、いやそんな僕だからなのか、狭い日本の中にも更に僕が全く知らない世界、想像もし得ない暮らしがあるみたいだという事に、数年前くらいからかな、薄々気付いていて。主に関東の、首都圏の周辺都市での事らしいんだけど。
だから、TwitterのTLにこの本の存在が流れてきた時に「ああ、これは読まなければいけないなあ」と思い、購入した次第です。

 

「ここは、地獄か?」というサブタイトルが付いた本書は、神奈川県川崎区在住のHip Hopクルー、BAD HOPのメンバーとの関わりを軸に、川崎区という土地とそこに住む人々について書かれたルポルタージュだ。
これからこの国が抱えて行くのであろう様々な問題が凝縮された内容で、とても読みごたえがあった。

 

 

内容は、例えばAmazonの書評を読むと賛否両論、悪い面だけを取り上げ過ぎているという意見も見られる。読めば確かに極端な部分だけ切り取っているのかなあと思えるところもあるのだが、例えば、川崎区には、治安の悪さから親が子供に「あの地区には絶対に行ってはいけません」と諌める場所があるのは事実の様だ。
今まで僕が暮らした複数の街には「行ってはいけない地区」なんて一ヶ所も無かったし、そんな地区にだって当たり前の様に人は暮しているのだ。たいして広い訳でもない、同じ国の中にね。

本の詳しい内容についてはここでは触れないけど、この本についての著者のインタビューを貼っておく。ちょっとでも気になる人は是非一読をお勧めします。

 

 

この本を読んだ後では「カッコいい」という言葉を安易に使う事にためらいを覚える位、ヒリヒリとした緊張感が伝わってくるトラック。今年の4月に公開された動画だから、恐らく本の出版を受けて、満を持して作ったトラックなのだろう。
僕が初めてこの動画を再生したのが発表からちょうどひと月後だったんだけど、その時点での再生回数は既に170万を超えていた。彼らは配給もプロモーションもインディペンデントなんだけど、数字の話をすれば正直言ってその辺とは桁が全く違う。
僕はヒップホップに関してはまるっきり素人なので、ラップのテクニック的な事については言及出来ない。けど、初めて聴いた時は物凄い衝撃を受けた。それはしばらく他の音楽を受け入れる事が丸っきり出来なくなる位の衝撃だった。

過激なリリックは全部実話、なんだと思う。そしてBAD HOPのクルーにとってHip Hopという音楽は目的じゃなくて、川崎という土地で今日を生き抜く為の手段なのだろう。

 

また誰かがつぶやく
この街から出れない
欲望が街渦巻く
出どころなら池上
Gang bitch 横目ふかすweedにアクセル
ネズミのようにチェダー追う
KIDSたちの夢になる
火を噴くNinja KAWASAKI

 

2分過ぎから始まるBarkのバースが一番好き。赤いパーカー着て脇腹に大きく044(川崎の市外局番らしい)のタトゥーを入れてるクルーね。
ここは勇気を出して「カッコいい」と言うべきなのだろう。滅茶苦茶カッコいいよBAD HOP。男にとってカッコいいは一番の褒め言葉だ。今も昔も。

ちなみに彼らは、今までHip Hopを毛嫌いしていた僕に、ちゃんと向き合って聴くきっかけを与えてくれた存在でもある。感謝しています。

 

VICE Japanが撮ったインタビュー動画も観たけど、このYZERRのインタビュー動画が彼らが置かれていた状況を目と耳で知るのには早いかな。出来れば本を読んで欲しいけど。

彼の地では、少年たちは公園に集まり、スマートフォンで流すビートに合わせてフリースタイルのラップを練習しているのだそうだ。なるほどなあ、楽器を持っていなくても、スタジオに入らなくても音楽は出来る。仲間内で誰かひとりスマートフォンを持っていればいいのだから。
もちろんBAD HOPの成功の影響も大きいんだろうけど、川崎の不良少年たちの間ではこういうスタイルがリアルなんだろう。

それにしても…。「ゲットーを抜け出すには、バスケットボールの選手になるかラッパーになるかしかなかった」みたいなロジックって、遠いアメリカでの話だと思っていたけど…。まさかこういう形でこの音楽が日本に根付くとは全く想像もしていなかった。
正直、一連の情報を体内に入れた後は、僕は根っからの田舎住みで良かったなあというのが一番の感想だったんだけど、今の世の流れを見るに、あまり他人事だとも思っていられないんだろうね、きっと。

 

 

 

 

 

新しい風

今ひとつ盛り上がらないテンションと地味に冴えない体調を言い訳にダラダラ日々を過ごしていたらあっという間に12月になってしまった。
職場から見える山々は白い雪化粧だし、平地でももう既に数回雪が積もった。帰宅が深夜になる仕事をしている僕はもうベスパでの通勤は危なくて出来ない。朝晴れてても帰る頃には路面は凍結、なんて事はザラにある土地柄だから。

 

仕事の繁忙期である12月の日々は本当に一瞬で過ぎ去ってしまうのは経験上知っていて、うげぇもう今年も終わりが見えてきたな、などと考えると本当に日々の過ぎ去るスピードは早い。うだつの上がらない毎日を漫然と過ごしている余裕なんてないのだろう。本当は。

とは言え体調はすぐれない。睡眠が不安定なんだよね、困った事に。仕事柄生活のリズムは不規則な事この上なく、ただでさえ身体に無理をさせているなという自覚はあるんだけど、ここにきて本当に寝付きが悪くて。
酒の飲み方を考えてみたり眠剤を服用してみたり、色々工夫はしているもののこれと言った打開策は見出せず。

睡眠がうまく取れないと身体の疲れも取れず、そうすると気持ちも弱ってくる。人生を滅茶苦茶に不摂生してきたツケが回って来たのかよ、そのうち来るだろうとは思ってたけど随分と早いじゃねぇか、などとネガティブな思考にとらわれながら怠け者の猫の様にごろごろと床を這い回るような晩秋だった。

 

そこにダメを押したのが、自称小説家の後輩から勧められて読んだ一編のマンガ。おやすみプンプン、というマンガなのだけど、これが強烈な物語で。
いや、ストーリー自体は後半に起こる事件以外は特に変わった話でもなく、自我の目覚めから家族、母性、友情やら、恋だとか愛だとかセックスだとか、人生のそこここに潜んでいる危うさなんかも含めて、少なからずの人が大人になる過程で経験したであろう心情を綴ったひとりの少年の成長譚なのだが、物語の組み立て方や心理描写などが、流石「読んでいる」奴の推薦だけあって、もう文芸作品と呼んでもいいくらい素晴らしく良く出来ていて。初めて読了した夜には僕は本当にぶっ倒れるんじゃないかという程衝撃を受けた。

弱った心で読みおえた後は他の本を一冊も読めなかったし何ひとつ書く気になれなかったし、衝撃のあまりインポテンツにもなった。
マンガって凄いね、僕は今まであまり読んでこなかったけど(僕は少年ジャンプをお金を払って買った事がない)。向こうからグイグイと自分の中に入り込んで来る。

 

というわけで、先月の後半からは毎晩プンプンを読みながら酒を飲むという生活を続けていた。全13巻、多分10回以上は通して読み返したと思う。

 

月が変わった頃ようやく、このまま、辛いけれども何処か居心地のいい文芸の世界に浸っていたらいけない、と思い、すがるように一枚のCDを棚から取り出して聴いた。
HEATWAVE、新しい風。

 

 

 

新しい風が明日の方から吹いてくる
新しい風が憧れくわえて吹いてくる

夕方に目覚めたんだ
昨日もまた飲み過ぎたんだ
鏡の中に映るのは
まるで自分の抜け殻だった

人間でいると疲れるだけさ
生きていると汚れるだけさ
煙草を吸って 酒を飲んで
またやらかしたんだ
そんな日々

「新しい風」   作詞 山口洋  作曲 山口洋、モーガン・フィッシャー、山川浩正

 

多分今まではっきりと名前を出した事はなかったけれど、好きなミュージシャン、尊敬するミュージシャン等々の書き方でこのblogには過去にこっそり何度か登場している。
このバンドを聴き出してもう20年近くになる。ヴォーカルの山口洋さんという方なんだけど、僕は氏が直球以外の球を投げるのを見た事がない。この曲の様に何処かやけっぱちなテイストで歌われる曲でさえど真ん中に飛び込んでくる直球だ。

 

実はこの曲のこのテイク、画像のシングルCDでしか聴けない。中古盤市場にも滅多に出てこないし、たまに出てもとんでもない値段がつく。中古盤の値段はシンプルに需要と供給のバランスで決まる。なんとなれば需要に対して供給が圧倒的に足りないのだろう。盤自体の絶対数が少ない上に持っている人ももう手放さないからなのではないだろうか。収まるところに収まってしまっているというか。
YouTubeでは割と最近のライブテイクの動画も観れるんだけど、うつみようこさんのラップ&コーラス、HONZIさんのバイオリン、モーガン・フィッシャーのピアノが入っているこのテイクの「突き抜け具合」は唯一無二だ。
あの日あの頃の氏にしか演奏出来なかったであろう名演。僕もこのCDは死ぬまで手放さない。

 

 

せっかくだからこのバンドについてもう少し語る。

最近思うのは、何かが変わる時、その変化は何らかの劇的な出来事によって為される事もあるのだろうが、さもない日常の中でおだやかに変わっていくものの方が多いんじゃなかろうか、という事だ。
そりゃオセロの駒がひっくり返る様にある日ある時をきっかけに黒い色が白くなる事もあるだろう。でもそれよりは、風雨にさらされ陽の光を浴びて、褪せる様に変わっていく物事の方が多いしそういう変化の方が変わり方としては強いんじゃないか、と僕は考える様になった。
僕にとって洋さんが描く曲とはそういうものだ。雨や風、真夏の刺す様な陽射しや冬の冷たい北風、昼間の明るさ、真夜中の闇。
そのインプットはもしかしたらあまりキャッチーではないのかも知れない。でもそれはゆっくりと、しかし確実に聴く人を変えていく。うん、僕にとってHEATWAVEとはそういうバンドだなぁ。

 

 

おやすみプンプンの作中、漫画家を目指す登場人物が酔っ払って吐くセリフがある。

 

「あたいが描きたいものってのはさあ…

感動とか泣きとかその場の甘やかしなんかじゃなくて、そいつの人生そのものに影響したいの。

現実を忘れさせるための漫画じゃなくて!

現実と闘うための漫画なの!」

おやすみプンプン 浅野いにお著 第8巻より抜粋

 

僕はそういう表現に触れるのが好きだ。というか、それ抜きの人生は考えられない。
闘っているかどうかや好き嫌いは別としても、生きるか死ぬかだからなぁ。そう、死活問題。

 

という訳で、この曲の抜け具合のおかげでこんな駄文を書ける程度にまでは回復したかな。実はインポテンツはまだ治ってないんだけど、今更そんなに使うものでもないのでさほど困っていないから放置する事にした。まあそのうち治るだろ。

 

明日の方から吹いてくる新しい風はそろそろ身を切る冷たさだけど、今年も何とか無事に生き抜きたいものです。

 

 

 

 

 

« Older posts

© 2020 Joyride

Theme by Anders NorenUp ↑