ET3の整備2024 その4

相変わらず仕事が忙しいんだけど、数少ない休日や明るいうちに仕事が終わった日などに少しづつET3の作業を進めている。最近は日も短いし夕方になると寒いんだけど、この後にはV50をバラす作業が控えているので、作業出来る時間はほぼET3の為に使っている感じ。そんな生活がひと月以上続いている。
こんなに一生懸命になってベスパをいじるのは数年前にエンジンが焼き付いた時以来だな、あの時も頭の中をベスパ一色にして工具を握っていた記憶がある。
この歳になってこんなにも夢中になれる事があるのは幸せなんだと思う。




その3からの続きです。

東京からテレグラムを使い発注しておいたブツがパケに入って届いた。レリーズアームがクラッチカバーに入る穴に付くOリング。こんな作業何度もしたくないので今回はピアジオ純正品を購入。少々お高かったが、恐らく飛び耐久性はバッチリなんじゃなかろうか。
事前に調べた情報だとそれなりに難易度が高い作業らしく、Oリングを傷つけてしまう事も考慮して2グラム二個用意した。




やはりちょっと苦労して外した古いOリング。もっと硬化してたりするのかと思っていたけど、指でモミモミした感じはまだ弾力もあってちゃんとしている。それでも最低20年は使った部品だからね、実際にオイルが漏れていた(と疑わしい)部品だから交換するしかない。
ん?ということはこのOリングも20年は持つという事か。次に交換するのが20年後だとしたら僕は74歳になっている。74歳でまだこんな作業してたら褒めて下さいね。笑




結構細い穴の、奥の方に付いているOリングなのでやはり作業は少し大変だった。手持ちの細いドライバーでは取る事が出来ず、急遽100均に走って先の尖ったキリを買ってきて何とか外れた。
そして今度は傷を付けないように細心の注意を払いながら新しいOリングを組み付ける。




クラッチを握ると「ギャーー〜ー」という異音が出ていたので確認すると、crimaz製のブッシュが焼けていた。やっぱりなー。




10数kmしか走っていないのに純正のプレッシャープレートのブッシュとの当たり面にはダメージがあったし、




裏まで熱で焼けた跡がある。むーん。
件のOリングからオイルが漏れて良かったな、もっと走っていたら、もしかしたらこの部分がバラバラに砕けていたかも知れない。

現状がうまくないのは分かった。でもどうすればいいのか分からないのでこの日はここで作業終了。パソコンの前に座って色々調べる。


多分ベアリング入りのプレッシャープレートが出ているんじゃないか、という気がして調べていくと案の定ありました。ただcrimazのラック&ピニオンkitを組む時に交換必須ですみたいな記述は見つけられず。まあだから僕も知らずに純正プレッシャープレートで組んだんだけど。
これはTipsだな、crimazのラック&ピニオンkitを組む際は、プレッシャープレートはベアリング入りのものにした方がいいです。




日本で買えるベスパスモール用ベアリングタイプのプレッシャープレートは大体3種類みたい。PKクラッチ用の純正部品、bgm製、SIP製。どれを使おうか悩んだんだけど、一番値段の安かったbgm製にした。




スクーターに乗ってる方なら知っていると思うけど、bgmってちゃんとしたメーカーだからね、ショックアブソーバーやボアキット等を、安価なアジア製パーツとは一線を画したクオリティでリリースしているメーカーです。
だから信用が勝って買ってしまったけど、用途が違ったのかな、ちょっと紆余曲折の種になります。




組みつける。嵌まる部分に大きいOリングが入っていて、純正の様にスプリングで押さえたりはしなくていいみたい。




クラッチカバーを組み付けている時も少し違和感を感じていたから、ボルトは慎重に少しづつ締めた。




クラッチカバー組み付け後、すっかり組んでしまう前に一応キックしてみる。
と、クラッチワイヤーを張っていないのにクラッチが滑り気味だ。やはりそうか。クラッチカバーを組んでいる時にクラッチスプリングが押されている感覚があったのだ。
bgmのプレッシャープレート、組む前から何か厚いぞとは思っていたんだけど、厚みがあり過ぎて、組んだ状態でクラッチが少し切れてしまう様だ。なんとまあ。

またまた作業は中断、今度は「厚さが薄いベアリングタイプのプレッシャープレート」を探す。パソコンのモニタをガン見して、PK純正、SIP製、bgm製を見比べる。
どうもやはりbgm製だけ厚さがある様だ。でもこれは他のパーツを実際手に取って現物合わせしてみないと分からないね。
という訳で、僕の目には一番薄そうに見えたSIP製のものを発注、到着を首を長くして待つ。




程なくしてSIP製のプレッシャープレートが届いたので作業再開。
左から、bgm製、SIP製のベアリング入り、純正のリジッドプレート。ノギスでクラッチの取り付け面からの高さを測ると、bgm=約6.0mm、SIP=約2.0mm、純正=約1.8mm。やはりbgm製は高さがある。こういう場所での4mmはでかいよなあ。




SIP製のプレッシャープレートを取り付け、レリーズアームの角度を仮組みを繰り返して調節し、クラッチカバーを閉じる。今回の一連の作業で何度開いては閉じ、を繰り返したのか分からないくらいにやったなーー。
ここでもうひとつTipsを。crimazのラック&ピニオンkitは、組み付ける際レリーズアームの角度を調整しながら組まないといけません。ポンでは付かないのでご注意を。
あと、なんだかんだ言ってベアリング入りプレッシャープレートはピアジオ純正が手堅いのかな、って作業を振り返りながら考えています。


続きありますが、長くなったので一旦切ります。




続きます。








くっそファンキー!






2 comments on “ET3の整備2024 その4

  1. shova

    このピニオンラック、私も組もうと思ったんですが、基本それなりにチューンしたエンジンに対しまるッと組み込むつもり以外はあまり意味が無いと聞いて私ゃノーマルで組みました。

    ハービーハンコック!

    • ヨコチン Post author

      shovaさん、おはようございます。
      ノーマルのクラッチスプリングだったら僕も必要感じませんです。ただ、劇的にクラッチが軽くなります、V50,V100で強化クラッチ組んでいる方なんかにはいいんでしょうね〜
      ただちゃんと組まないとピニオンギアが割れたりするらしいんで、そういう意味でも無闇に組まない方がいいのかも知れませんね。

      この曲渋いですよね〜ベースライン最高!

Submit comment

Allowed HTML tags: <a href="http://google.com">google</a> <strong>bold</strong> <em>emphasized</em> <code>code</code> <blockquote>
quote
</blockquote>

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください