V50レストアその1 車両紹介

さて先日から予告していた、ベスパV50のレストア記を書き始めようと思います。
まずはレストアを施す車両の紹介と入手の経緯を書いていきます。

この歳になると、やりたい事全部やってから死にたいよなあと思うのは僕だけじゃないと思うんだけど、僕の場合はそのひとつがスクーターのレストアだった。
元々車両を「起こす」のが好きで、手元にあるスクーター、ET3もP200Eも、ラビットも入手してから少しづつ手を入れて調子を出していった。ET3は長年読んでいただいている方はご存知のとおり経年や走行で傷んだ部分に今も手を入れながら楽しんでいる。で、以前から手頃なレストアベースのV50をゆるく探していたのだ。

隣町の滝沢市の方がこのV50をオークションサイトに出品したのが9月末の事だった。値段も安く、欠品も無さそう。落札出来た時はステップワゴンに積んで帰ってくればいいから送料もかからない。こりゃいいぞと早速出品者に現車確認をしたい旨コンタクトを取った。

日時を打ち合わせていざ現地に行ってみると、なんと出品者は昔の知り合いで、脱サラして今は婚約者とふたりでバイク車体やパーツをオークションサイトで売って生活しているのだとか。
「ヨコチンさんなら安くしますよ!」と言われ、物も想像通りだったのでその場で現金を支払って持って帰ってきたというのが入手の経緯。少しまけてもらい、落札手数料も払わなくて良かったのでまあいい買い物でした。相場より2割くらい安かったんじゃないかな。




現場に行くまで僕も知らなかったんだけど、この車両はいわゆる「丸穴」と呼ばれる再生産前のモデルで、中には珍重するマニアもいる。丸穴とは上の画像のブレーキペダルが通る穴の事で、再生産モデルはここの穴が四角になるから差別化の為にそう呼んでいるみたい。
形の話をすれば、ボディのディティールやパーツの形が少し違うだけなので僕としてはそんなに価値を見出しているわけじゃないんだけど、例えばフライホイールの外し方なんかは僕のET3を含む再生産モデルとは違い、フライにサークリップが仕込まれている旧車ならではの方法でやるみたいだね。

ブレーキ穴だったりフライホイールの外し方だったり、一般の方には全くもってよく分からない話ですよねw、でもまあマニア気質とはそういうもので、実際に売買の相場もそれなりに高かったりする。




マニアの中には「再生産前の50Sは貴重だから限りなく当時のパーツで組むべし」みたいな方もいらっしゃるらしいけど、前述のとおり僕はそれほど価値を見出していないのでレストア&カスタムは好きにやらせてもらいます。
それよりも倉庫の中で眠っていた車両を起こすという事に意義を見出している感じ。そのまま朽ちていったり部品取りにされてバラ売りされるよりかはこのベスパも嬉しいだろ。




ボディはオリジナルのペイントの上からリペイントされていて、それがヤレているというまあそのままでは乗らないなってコンディション。これは自分で全バラにした後プロに板金塗装してもらう予定。
リペイントのベースとしてはまずまずなんじゃないかなあ。




車体左側のエンジンカバーもそれほど痛みや鉄板の歪みもなくリペイントベースとしてはまずまず。
その下に見えるフライホイールカバーは再生産前のディティール。なんだけど、この旧型カバーもフリマサイトで3000円しないで売られているので、僕的にはさほど価値を見出していないというか、、、。
この辺の部品は僕が綺麗に錆を落としてリペイントする予定。




ベスパをレストアするに当たり、一番問題なのがフロアパネルの状態。画像は左側。




右側。
ぱっと見悪くなさそうに見えるけど、良くもない。所々小さい腐り穴が空いている。裏に補強の為に当て板が貼ってあったりする部分なので湿気が溜まったんだろうね。
フロア裏の補強プレート類は補修部品が買えるんだけど、フロア後端の当て板は見つからず。錆補修をするなら当て板は剥がさなきゃならなさそうなんだけど、当て板自体も錆びているので素人にはなかなか判断が難しいところだ。
フロア全体の補修パネルが13.000円くらいで買えるので、これは板金屋さんと相談だな、仕上がりと費用と手間を勘案して一番いい方法で直してもらおう。




ヘッドセットはアルミの鋳造なんだけど、ヘッドライトのリム部分がぶつけたのか凹んでいる。
ここね、熱を入れて修正出来ないか板金屋さんに相談してみようかと思ったんだけど、オークションサイトで中古良品を見つけたのでそれに交換することに。
スクーターの顔の部分だから、レストアを標榜するなら直さなきゃだよね。機能的には問題ないからそのまま乗れるっちゃ乗れるんだけど。




ヘッドライトレンズはSIEM製の渋い奴が付いていた。綺麗にクリーニングして使う予定。




フロントフェンダー。ちょっと歪んでいるけどこのくらいは板金出来るんじゃないかな。



ボディ周りはこんな感じです。
エンジンは降ろして単品で専門店に送りボアアップがてらシール、ベアリング類を全部新品にしてもらう予定。毎月少しづつパーツを集めているんだけど、ボアキットは既に入手済み。
今はギア比で悩んでいて、ET3クロスに交換してしまえば気持ち良く走れるんだろうけど、あの部品結構高くて、、、。これも相談しながら決めようと思っています。

そんなにカリカリにチューニングする気はなくて、吸気はSHB19キャブに交換するだけ(リードバルブにはしない)、点火も純正のポイント式で行くつもり。てか、むしろポイントの調整とかしたいよ、ET3もP200EもCDI点火だし、デイリー使いにする予定はないのでたまに調整するのも楽しいんじゃないのかなって。

で、プロに任せて仕上げてもらったボディとエンジンを僕が組み付ける、というのが大まかな計画です。既にやる事は結構多くてね、パーツ探しだったり塗色を何にするか考えたりだったり、毎晩酒を飲みながら、しょっちゅう脱線しながら楽しくやっています。
全体のコンセプトは「Late ’80s」。’80年代後半に、旧車っぽいカスタムをした再生産前のV50、みたいな。
僕はマ二アじゃないからガチガチにはやらないけど、雰囲気のいいスクーターを作れたらな、って思っています。






2 comments on “V50レストアその1 車両紹介

  1. shiva

    お久しぶりにコメントします。
    私も2年ほど前に50sのエンジン起こしてET3に載せました。その時は3速4速のギアとクリスマスツリー交換でクロスミッション化しました。でもミッションキット丸ごと買っても安かったかも…

    • ヨコチン Post author

      shivaさんこんばんわ。
      そうなんですね、積み換えた事情はわかりませんがET3のエンジンも高いからなーー
      いや、kitものだと今部品だけで4万以上するんですよ、調べた結果。ちょっと高いなと、、。
      でも3速4速だけ換える方法もあるんですね!

      そもそもフルOH工賃もどのくらいするのか全く分からないんで相談して決めます、情報ありがとうございました!

Submit comment

Allowed HTML tags: <a href="http://google.com">google</a> <strong>bold</strong> <em>emphasized</em> <code>code</code> <blockquote>
quote
</blockquote>

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください