久々のマスツーリング

先週末、仕事でいつも乗せているドクターからお誘いを受けて、青森県の大間崎まで一泊二日でツーリングに行ってきた。


考えてみれば、複数台で泊ツーリングに出るのなんて数十年ぶりだ。




半分仕事とは言うものの、付き合いが長くなれば参加者の事情なども見えてくる。大病を患い闘病中の者もいれば複雑な家庭の事情に家庭内で孤軍奮闘している者もいる。年齢が年齢だからね。そんなそれぞれがこのツーリングを心から楽しみにしている様子が、連絡用に作ったグループLINEから伝わってくるのは悪いものじゃなかった。
やれ老害だやれキモいだと腐されがちな我々おじさんだけど、そんな我々にも感情はあるし身体には血も流れているのだ。日常のうっぷんや人生の障害物につまづいたやるせなさを一瞬でも忘れたいと願う気持ちは僕にもよく分かる。いや、歳を重ねている分余計にそのブルースは深いものになっている気さえする。
陽の光の下で身体を使って遊ぶ事が出来る時間が日に日に短くなっている事は、口には出さないまでも皆がひしひしと感じているのはそんなに想像力を使わなくても分かるしね。




世間に腐されるおじさんだけど財力だけはあるので高速道路もふんだんに使い北を目指す。
ひとりで走ってたらこんなに使わないけどね。




マスツーリングなので、ここで撮りたいなあという所で停まる訳にいかないから写真はないけど、下北半島の道は独特の雰囲気がある。4月にクルマで来た時も思ったけど、原野の中に道路が走っているので少し北海道に似てるんだよね。まあ大層気持ちがいい。このツーリングのお誘いがなかったらひとりで走るつもりだったくらい。




やはりバイクで訪れる人が多いのか、立ち寄ったコンビニはバイクに乗った来客があるとそのバイクをチェキで撮って店内に飾るという取り組みをしていた。色んなところに行ったけど、これも他の地域では見た事がない。北海道っぽいって言えばそれっぽい。




で、そのチェキを店内に飾っている。たくさんの、それぞれのバイクとそれぞれの人生。そんな写真たちを写真に収める。
最近こういう風景に出くわすと皆の幸せを願う変な癖が付いた。お互い気をつけて乗ろうぜ。いい走りを、ね。




途中、美味しい海鮮料理を頂き更に北上する。




雄大な自然の中を貫く道を走り続けて、4月にも来た尻屋崎に到着。
この辺りの道の自然の中を走っている感は本州では有数なんじゃないだろうか。複数台で走るのももちろん楽しいんだけど、ふと心の中で「次はひとりで来よう」と思ってしまうのは「一匹」のマナーが骨身に染み付いてきている証なんだろうな。
4月に来た時は大雨と強風、今回は曇天。近いうちに晴天の下北半島を走りたい。




この頃になると愛しきおじさん達は、停まる度に「そろそろ疲れたな」を連発する。そりゃそうだ、もう300km近く走ってる。
このツーリングを企画してくれたドクターが僕の9つ下で最年少、あとは皆僕よりも年上で、最年長は67歳。この歳までバイクに乗り続けたのだから、きっと各々身体が動かなくなるまで乗り続けるのだろう。ロング・ライダーズだね。
ある程度バイクに乗った人なら、この歳まで乗り続ける事が言うほど簡単な事じゃない事は分かると思う。映えるとか映えないとか、カッコいいとか悪いとか、そんな事は関係ない。同じバイク乗りとして、距離を走る人には僕は最大限の敬意を払う。経済的な理由やモチベーションの低下などを乗り越えて続ける事がそんなに簡単な事じゃないってのは心底分かるから。




そんなこんなでやっと大間に着いた。流石にちょっと疲れた。




ホテルにチェックインして、近くの居酒屋で乾杯。




海鮮をつまみに一杯やって1日目は終了。お疲れ様でした。




苦手なホテル泊だけど、とにかく眠らないと旅にならないからね、とは言えこの日も未明の3:30に目が醒める。昨日は22:00時過ぎに眠りに落ちたから約5時間の睡眠か、ちょっと足りないけど二度寝は出来なさそう。仕方ない、このまま起きていよう。
タバコがなくなり、ホテルから400m離れたコンビニに買いに行く。




持ってきた本を読んでいるうちに夜が明けていた。朝日を見に海岸線まで歩いて行っても良かったなと少し後悔。




写真では晴れているけど、この後結構な勢いの通り雨に遭う。カッパを着る程じゃなかったけど、路面はハーフウェットになる。




泊まった大間町から西進して仏ヶ浦という景勝地を目指したんだけど、この道中がかなりハードだった。海岸線を通る道路だからカーブが多いのはもちろんなんだけどアップダウンがキツくて僕のハーレーには苦行でしかなかった。酷いコーナーでは2速まで落として更に半クラッチを使って何とか先行車について行く。
しかも路面は落ち葉が散ったハーフウェット。車重のあるFXRはとりあえずコーナーに入って後で帳尻合わせようって走り方は出来ないし、落ち葉を踏んで滑ったらそれをリカバリー出来る程走り込んでもない。おまけに深く右にバンクさせるとマフラーを擦るんだよね、勢い良く路面にヒットさせたら吹っ飛ぶよなこれ。いやこれキッツいなーって半分泣きながら走る。
目的地に着いた時に皆に「ハーレーじゃキツい道だったね」って口々に言われた。強がらずに、いやマジでキツかったです。




頑張ったご褒美はこの絶景。相変わらず写真下手くそだから伝わらないかもだけど、心の中にはしっかり刻んできました、道中のハードさも込みでね。


この後、一般道と高速を使い帰路に着く。最後は路面の舗装の具合があまり良くない八戸道を走るが、FXRの足回りでは100km/hが精一杯だったな、突き上げが酷くてギャップを超える度にヘルメットはズレるしバックミラーも向きを変える。
僕のバイクより造りと年式が新しいバイクはどうなんだろう?ハーレーだって新型ならもっと楽に走れるんだろうけど、何故か興味が湧かないんだよね。とりあえずメットだなー、風圧と振動ですぐにズレちゃう。アライかSHOEIの最新型のフルフェイス、旅用に買おう。




そんなこんなで無事帰宅。総走行距離約640km。まあまあ走ったね、2日間遊んでくれた方々、本当にありがとうございました。また来年かな、それまでお互い生き残っていたらまた走りましょう。






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