2025年晩夏

もう9月も終わり。2025年も残り3ヶ月になった。
八幡様のお祭りも終わり、季節的には初秋のはずなんだけどまだまだ日中は日によっては暑く、家の外で草刈りなどをしていると汗をかく。流石に朝晩は随分涼しくなったけど、秋と言うには日差しが強すぎるね。

でも空気もカラッと乾いていて気持ちのいい季節です。




・はやちねラビットミーティング2025
今年も開催、3回目になるのかな?主催の友達が尋常じゃない行動力とコミュニケーション能力で全国のラビット乗りと繋がり、回を追うごとに規模が大きくなっていく。
すっかりイベント用車両になってしまった僕のラビットも、バッテリーを充電してタイヤの空気圧をチェックして(そのくらいしかしなくても普通に走る。笑)参加してきました。




結局全国から50台くらい集まったのかな、いやいや大した行動力です。とても真似出来ん。
エンジンがかからなくなる車両とか普通にあったけど、最終的には全車完走したのかな、大迫の気持ちのいい自然の中を2ストの煙を吐きながらのんびりと走って参りました。




今年からラビット縛りがなくなった様で、旧車のベスパが2台来ていた。かっこいい!




いいねぇ〜
僕もベスパで来れば良かったかな(嘘です)?




ラビットでリアカーを引いてきて、ジャークチキンサンドを提供したいつものホットポットのよしくん。僕的にはこの日一番カッコよかった。




でも賑やかすぎて少し疲れたな、歳を重ねるごとに人混みが苦手になっていく。分かれ道で別れてひとりになった時、めっちゃ安心したというか。
久しぶりに乗るラビットは、ベスパに比べてホイールベースが長いせいかこういう道をトコトコ走るのには向いているね。片手運転とか余裕でできるもんなあ。この日は暑いくらいの日差しで(後日首の後ろが日焼けで皮が剥けた)どこまでも走って行きたくなったが、夕方から飲む約束があったのでまっすぐ家に帰った。
人混みが苦手になっていくのと反比例してひとりでバイクに乗るのはどんどん好きになっていく。そしてサシで人と飲むのはいつだって楽しい。




・よく眠ること
平日の晩酌をやめてから2ヶ月以上経つ。最近はすっかり日も短くなって夜が長いが、それ以上に酒を飲まないと夜に時間を持て余したりする。
ある日「やる事ないなら眠ればいいんじゃね?」って事に気付いて、最近は21時にベッドに入る事を目標にして家時間を過ごす事にしている。自分を観察してみると、夜って意外と大した事やっていないのだ。
平日は5時に起きるので、8時間は眠れる事になる。これがすこぶるいい。

まず、疲れが取れる。僕の仕事は「筋肉を使わない肉体労働」なので、まあ疲れる。今までは週末にまとめて疲労回復に努めていたけど、せっかくの休みに「うあーだるっ!」ってやってるのも時間が勿体ない。
その無駄がなくなった。8月に入ってから妙にアクティブに動き回っているのももしかしたら早寝早起きを習慣付けているからなのかも知れない。

あと、思考がポジティブになる。人生は苦難の連続だ。何かひとつ問題が片付くと次の問題が起こる。
それに、プライベートの時間が昔と比べてかなり少なくなっていると感じる。これは間違いなくインターネットの弊害で、昔は夕方家に帰れば外の世界との繋がりはほぼなくなったが、今はメールやらLINEやら、24時間休みなくコミュニケーションを取る事を要求される。
これがまた、疲れる。人間の悩みの9割は対人関係の悩みだと言われている。そのネタ元みたいな携帯電話を24時間肌身離さず抱えているのだから疲れるのは当たり前だ。僕らもだけど、今の若い子たちが本当に可哀想だ。

眠っている間はスマホが鳴ろうが関係ないからね、ほんとうのプライベートタイム。その時間が長ければ長いほどメンタルが回復するのだろう。よく眠れた夜とそうじゃなかった夜では本当に翌日の気分が全然違うのが実感出来る。
ストレス社会と言われて久しいけど、自衛も必要だよね。疲れたら、携帯を置いて寝ろ。それに尽きると思う。

あとね、我々のように初老になると、眠りたくても眠れない事も多い。まだ疲れているのに目が覚めてしまうのだ。こういう時は、眠れる時に10分でも20分でもいいから昼寝するのがいいらしいですよ。


疲れが取れないまま趣味を楽しもうと思っても全然楽しくなかったりするからね、で、思考がネガティブになってロクな事を考えない。逆によく眠るといつもと変わらない景色が素晴らしく見えたりする。ほんとだよ。ここ2ヶ月、肌感覚で実感しています。

口を開けば愚痴だけの人、いつも全てを他人のせいにしてばかりの人、もしかしたらただ疲れているだけかも知れませんよ。よく寝て、休みの日に気分転換にどこか遠くに行ってみるのも悪くないですよ。
繰り返すけど、自衛も必要だからね。そういう心持ちは結局いつか自分に帰ってくるから。よく休み、疲れをとる事は結局一番自分のためになるんだと思う。



・レクイエム
いつもの店で飲んでいる時、店主が思い出したように、唐突に告げてきた。
「そういやヨコチンさん、トモカが死んだ。明日火葬だって」
一瞬鼻っ柱を殴られたようなツンとした感触があったが、口から出てきた言葉は「そっか」だけだった。

バカしか来ないこの店に(店主談)、トモカという名の大型新人が来る様になったって聞いてたのは一年くらい前だったか。「最近すごいのが来るんですよ」とは店主の弁。ずっと夜の街で働いていた女の子で、交通事故で身体に後遺症が残ってしまい、生活保護で暮らしている。そのお金だけじゃ食えないっていうので、とてもここには書けないようなアウトローな暮らしをしていると。
無料で出してもらえる処方薬でいつもパキっていて「とにかくめちゃくちゃな奴なんですよ」と流石の友達も少し持て余し気味の様だった。他の常連とはちょっと種類が違うバカみたいだけど、一度会ってみたいなって思ってた。

願いが叶った訳ではないと思うけど、一度だけこの店で一緒になった事がある。昔風俗情報誌の中抜きグラビアになった事があるのを自慢にしているだけあって、顔は綺麗だしスタイルもいい。でも事故の後遺症でなのだろう、いつも身体が左側に傾いている。
歳が僕のちょうど二回り下で、干支が同じだったというのもあり、話は盛り上がった。話の内容はここには書けないくらいお下劣なものだったけど。笑
妙に懐かれてね、「何の仕事してるの??」「ヨコチンさんは、ドライバーだよ」と店主が代わりに答える。「何のドライバー??」「デリヘルさ」「へー、ヨコチンさんがデリのドライバーだったらワタシめっちゃ話す!」勝手にデリのドライバーにされてしまったが特に否定もしなかった。どっちも運転手家業だからな、似たようなもんだろ。
バカ共のお下劣トークはとどまることを知らず、皆でゲラゲラ笑いながら夜は更けていった。解散の時、楽しかったまた飲もうぜ〜とグータッチしたのが最後になった。

「あの夜はいい夜でしたね」と店主。
「うん、いい夜だった」と僕。

日本中、世界中で色んな人を見てきたのだろう店主は「ジャンキーの最期なんてまあこんなもんだけど」と少し悔しそうに話した。「でももうちょっと何かしてやれた気がするんですよね」。
十分だったんじゃないか、と僕は返した。あんな内容の話をあけすけに話して、それでも受け入れるのなんてこの街じゃこの店だけでしょ、トモカもそれを分かってたからちょくちょく顔を出したんだと思うよ、きっと救われてたんだと思う。「そんなもんですかねえ」と店主はどこまでも優しい。
その後他の常連も加わってしばし思い出話にふける。

正確な死因は誰も知らない。処方薬のオーバードーズだったって話もあれば、パキった状態で深くリスカやり過ぎたって話もある。今そういう話って病院も遺族にしかしないんだよね。いずれにしろ、まだ死ななくていい命がこの世からひとつ無くなってしまったのは、救いがないけど疑いようもない事実。それだけだ。
僕も仲間たちも、誰も彼女の事を悪く言わないのは、とびっきりのバカだったけど、トモカは人を陥れたり騙したりするような奴じゃなかったからだろうか。もしかしたらみんな明日は我が身だって思ってるのかも知れないね。



なあトモカ、生き急いだよな、なにも死ぬ事はなかったんじゃないかと思うけど、トモカにしか分からない苦しみがあったのかも知れないね。
辛かったのかい?でもみんなトモカがいなくなって寂しがってるよ。
この曲ね、オレが死んだ時に流してもらおうと思ってた曲なんだ。トモカに捧げるよ。寄り道しないでまっすぐ空に昇っていけよ。

オレもよしくんも村井さんもその他の仲間も、どうせそのうちみんな死ぬ。空のどこかでまた会えたらいいね、そしたらみんなでまたバカ話しようぜ。







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