朝目覚めてすぐカーテンを開けると、天気は微妙に悪い。小雨が降ったり止んだりという感じなのだろうか、道路がところどころ濡れている。んー、まあ仕方ないよね。
朝食が付くホテルだったのでそれを食べてからゆっくり出発。今日は移動距離がそんなに長くないので時間的に余裕があるのだ。
昨日居酒屋の大将に教えてもらった塩屋崎というところにある灯台を見に行く。
駅前にあるホテルから30分くらい走っただろうか、見えてきたのは雰囲気ある造りの立派な灯台だった。おお、これは見事だ。
小雨がぱらつく中、結構な勾配の階段を汗だくになりながら近くまで登って行く。写真の通り灯台の中にも入れるみたいなんだが料金がかかるのと、さらに階段を登る気力が無かったのとで外観だけ拝みました。
見晴らしのいい岬の上からは形のいい海岸線が見えた。
素人目にもいい波が立ってるなーって見えたんだけど本当にそうだったみたいで、僕のインスタの投稿を見たサーフボードのシェイパーをやっている同級生がLINEで、震災前に4年くらいこの土地に住んでいたんだよって教えてくれた。
曰く、福島の波は最高なんだとか。汚染水が放出されたらその波にも乗れなくなるのかなあ、と危惧してもいた。大人だけならともかく、まだ小さい子供がいる奴だからね、気を遣わなければならない事も多いのだろう。
いい景色を満喫して坂を下り、土産物屋の傍にあった灰皿のところで一服してバイクに戻ると、バリバリの旅仕様のスーパーカブのオーナーに声をかけられた。何でもカブで長野から来たらしい。
「何だかパッとしない天気ですよね」
そうですね、でもカッパ着るほどじゃないのが救いじゃないですか？
「（僕のバイクのナンバーを見て）実は今日、盛岡まで行く予定だったんだけど、天気悪くてやめました」
あー、なんか今日盛岡大雨らしいですよね、今日はこれからどうするんですか？
「んーもう帰ろうと思ってます」
ははは、気楽でいいですね。
そんなさもない会話をしてお互いの無事を祈り合って別れた。
山道に入る前に給油。店員さんにも声をかけられる。
「盛岡からですか」
あーはい、気ままな一人旅です。
「暑くてバイクは大変でしょう、お気をつけて」
そんな挨拶程度の会話でも気遣いしてもらえただけで嬉しいもんだね。
国道289号線に入り、海岸部を離れて西進する。時折ぱらついていた小雨も止んだ。
289号線はなかなかナイスな道路で、道幅も広いしコーナーも曲率が大きくて気持ち良かった。結構な勾配の上りが続き、一気に高度が上がったせいか少し寒くなってきて、念の為に持ってきたコーチジャケットを羽織る。
登坂とコーナーを繰り返す道を走りながら、ハーレーは馬っぽいな、なんて思いが頭をよぎる。いや僕馬に乗ったことないけどさ、何て言うのかなあ、有機物っぽいっていうか、急な登坂で一速ギアを落としてスロットルを捻ると車体をブルブル震わせながら加速していくフィーリングは、僕が今まで乗ったバイクには全く無かった乗り味で、それがたまらなく気持ちいい。
大してスピードも出してないしコーナーを攻めたりもしてないけど、ただ普通に走っているだけで楽しいのは有り難いし得難いものだと思う。
コンビニもない山の中に、恐らく地元の有志が作ってくれたと思しき休憩所で一服する。
自販機とトイレ、屋根があって椅子とテーブルがある。バイクで旅をしている身分としては椅子とテーブルでゆっくり休めるのがどれだけありがたい事か。どこの誰が作ってくれた休憩所が分からないけど最大限の感謝をしながら30分も休んでしまった。
馬、もといFXRもいい休憩になっただろ。
この後快適な289号から国道349号に折れたのだけど、これが手強い道だった。タイトなコーナーが多く、しかも所々対面通行になる。しかも抜け道なのかな、そんな狭い道の向こうからたまに大型トラックが走ってくる。
広い道では快適でしかないFXRだけど、こういう道を走るのはめちゃくちゃ気をつかう。下手を打てば先の見えないコーナーで出会い頭に正面衝突って事態も十分に考えられる。
セカンドとサードを使って慎重にひとつひとつのコーナーをクリアしていく。
1時間近く走っただろうか、ようやく広い道に出る。僕が進むのは国道118号線だ。ほっと一安心。
が、この後はしょっちゅう現れる道の分岐に悩まされる。僕はスマホでナビしながらバイクに乗るのが嫌いで、大まかなヒントを頭の中に入れて時々確認しながら進むスタイルなんだけど、それでは補い切れないほど分岐が細かく、何度も道を間違えて、その度にスマホで確認、Uターンして正しい道に戻るを繰り返した。
そんな事をしているうちに体力はチビチビと削られていく。暑さのせいかまたしても食欲と気力がなくなって昼飯を食べる気にもならない。ちょっとマズいな、という事でコンビニで長めの休憩を取り、レッドブルを飲みながら今一度ルートを確認する。
景色はいかにも北関東の田舎道って感じでとても良かったんだけど写真を撮る気力もなかった。
目的地の宇都宮まであと1時間、国道4号線まで出ればあとは道路上の標識を頼りにたどり着けるだろう、もうひと頑張りだ。
国道4号に出る事が出来た時には心の中で快哉を上げた。何とかゴールが見えてきた。
市街地に入り信号待ちが増えて、陽の光だけじゃなくエンジンの熱とアスファルトの照り返しもキツくなってきたし、熱のせいか信号待ちでギアがニュートラルに入らなくなってきた。正直辛い。走り終えた後の一杯のビールだけを心の支えにして走り続ける。ようやく予約していたホテルに無事着いた時は心底ほっとした。
ホテルに着いたのが15時、チェックインが16時から。とりあえずバイクだけでも駐輪させてもらおうかと思いフロントに行ったら、チェックインまでラウンジで待っていてもいいとの事。
バイクを駐輪場に停めて荷物を下ろし、ラウンジでお疲れ様の一杯。死ぬほど旨かった。
宇都宮と言えば餃子でしょ、という事で早速食べに飲みに行く。餃子とビールは勝負早くていいね、餃子30個中ジョッキ3杯を1時間で片付けて優勝。トラックめいめいばりに餃子を画角に入れて自撮りでもしたい気分だったけど、あれ自撮り棒なきゃ無理だね、初老のオッサンがスマホ片手にあれこれやるのもみっともないので早々に諦めました。
宇都宮って餃子とカクテルが有名らしいんだけど外に飲みに行く元気は無し。大人しくホテルの部屋で新しい学校のリーダーズの動画観て過ごしました。僕も歳取ったなー。
本日の走行距離180km。大して走ってないけどなかなか疲れたな。
正直「オトナブルー」だけだったらそんなにハマらなかったと思う。このパフォーマンスを観てぶっ飛んだ。文句なしにカッコいい！！
ゴリゴリのトランスに乗せて踊るパフォーマンスはメンバー達自身で振り付けているのだという。いやーこれはブチ上がるでしょー。
これは外国でのライブらしいんだけど、海外で人気出るの分かるね。自由さが日本のそれじゃないから受け入れやすいんだと思うし、それをめちゃ日本的な制服を着てやるから外国人から見たらすげークールに見えるんじゃないかな。
最近毎晩、YouTubeやインスタに無数にある彼女達の映像を見てます。なんか自由に振る舞う彼女達を見ているだけで幸せな気持ちになれる。
