2022年7月

相変わらず遅筆ですが生きております。なかなかまとまって記事にするネタがないのよね。
トップ画は仕事で山田町に行った帰りの回送中に目撃した不思議な雲。何だこれ。

つーか、今日からお盆休みなんだけど毎日雨だってー。今もものすごい雷が鳴っている。岩手の短い夏は盆が明けたら終わっちゃうんだけど。ああ今日から何をしよう。




これは6月の末の事だったかな、友達のつとむっちがバイクをもらったから取りに行きたい、と運転手を頼まれて弘前方面へ。バイクを引き取って帰るだけでは終わらないのが彼との旅。どうしても行きたい場所がある、という事で、JR五能線、木造駅へ。
これ、駅舎なんです。この町は遮光器土偶が発掘された事で有名で、その土偶のモチーフを駅舎にしてしまったというね。手前のタクシーと比べてみるとその巨大さが分かるでしょ?これは確かに凄い。




この土偶、ただの作り物じゃなく、電車が来ると目が七色に光るんだとか。めっちゃウケた。なんというサービス精神。弘前方面ってあまり来た事なかったけど、このノリは東北の中でも異色なんじゃないだろうか。




アテンドしてくれたクミコさん、という、いかにもつとむっちの仲良しってヴァイブスを発している妙齢の女性は、昭和の喫茶店巡りが趣味なんだとか。で、2店くらい案内してもらう。




UCCコーヒー飲みたいぜ。




この日はコーヒーだけだったけど、次に来たら昭和な食事メニューも食べたいな。

ちなみに先月、つとむっちは無事に普通免許を取得しました。一年半、長かったねぇ〜。




時の経つのが早過ぎてみんな忘れてるかもだけど、6月末から7月初めまで一瞬だけコロナ騒動が落ち着いた時期があった。今後どうなるか分からないという思いもあって、その隙にすかさず飲みに出た。
毎週乗せている、お酒が好きなドクターに誘われたんですよ、一杯どうですか?って。お互い酒が好きだからしょっちゅう酒にまつわる話はしてたんだけど、お得意様商売とはいえ、ドクターとふたりでサシ飲みしたって話は先輩からも聞いた事がない。ちょっと異例のお誘いでした。
かと言って断る理由もないからね、そのドクター(以下T先生)はいつも一生懸命診察してくるので、夕方になる帰りにはぐったり疲れてクルマに乗ってくる。毎週接しているとは言え、向かい合って話せば仕事中はしないような会話も出来るかも知れないしね。誘って頂いてありがとうございます、という事で夜の街に繰り出した。

医者というとそれだけで身構える人もいるかも知れないけど、みんななんということは無いひとりの人間ですよ。そりゃ収入も高め安定だし、医師国家試験をパスしている方々だから基本的に知能指数は高い。でも皆それなりに人間くさい悩みを抱えていたりしてね。高IQの奏でるブルースは中々に趣深かったりするんですよ。だから運転手とお客さまという立場の違いさえ常に意識していれば会話はそんなに難しい訳じゃない。

酒を飲みながら話すのは初めてだったけど、T先生との酒席は盛り上がった。「ヨコチンさんの会話にはインテリジェンスがありますね」などという褒め言葉を頂いたりね。にゃはは。でもT先生いわく、医局での僕の評判は悪いものではないらしい。おお、マジか。嬉しいじゃないか。

先生、アードベックの5年って飲んだ事あります?「いや5年は無いですね、普通バーに置いてあるのは10年じゃないですか?」そうですね、でも5年も旨いんですよ、置いてあるバーがあるんだけど行ってみますか?「マジすか、飲んでみたいっす、行きましょう!」酒好きはみんなシングルモルトが大好物なのだ。
という事で、2次会は僕の行きつけのバーへ。1次会でみずもっさんの店で散々ビールを飲んだ後だったから効いたな、でも酔っ払ったT先生は初恋の話なんかを始めたから、仕事絡みの飲み会としては成功だったんだろうね。

次の日は10数年ぶりに二日酔い。でも楽しい夜でした。




暇で天気のいい週末は軽く登山をしたりしている。小学生が遠足で登るような山だからそんな大袈裟なものではないけど、いい運動になるんだよね。




普段市街地をウォーキングしている時とは違って、勾配があるからね、筋肉を使うんですよ。それでも日々のウォーキングの成果か、以前と比べて格段に楽に登れるようになっている。




何より自然の中を自分の足で歩く事が本当に楽しい。
お金掛からないしね、トレッキングシューズとゴアテックスのレインウェアだけは数年前に買ったけど、ウェアは普段ウォーキングの時に着ているもので、寒い時期にはスノーボードをする時に着るものを着回せばいい、ブレスサーモのアンダーとかウールのネルシャツとか。
一応デイパックには非常食のカロリーメイトを入れて行くけど、それも毎回食べる訳じゃないしね、毎回かかるコストは飲料のお茶だけ。




午前中に家を出て、往復2時間半くらいの行程を歩き、帰りに温泉で汗を流して身体の疲れを癒す。極楽以外の何者でもない。
僕はぬるめのお湯に時間をかけて浸かるのが好きなんだけど、温泉の治癒力って半端なくて、澱のように身心に溜まった疲れが溶け出すのが体感できる。

この歳になると、身体にいい事ってそれこそ身体が正直に反応するからすぐ分かる。酩酊系だと過度の飲酒は良くないね、適量をわきまえて飲まないとそれこそ身体がバッドサインを投げてよこす。
うん、こういうのって法律とかモラルじゃないんだ。いいものはいい。よくないものはよくない。それは自分の身体と対話していればはっきりと分かるよ。まあそれでも飲んじゃうのが飲んべえたる所以なんだけど。




当然バイクにも乗る。最高の季節だよね。ラフな格好で、適度なスロットルの開け具合で田舎道を走る。これまた至極。
最近は一日200km弱のミドルランがお気に入り。気合い入れてロングに出るのは年2〜3回でいいかなあと思ったり。当然時勢柄もあるけどね、最近また疫病が猛威を振るい、外出しづらい状況になってきたし。




この日は宮守に最近出来た新店「朔望」でラーメンを食うランチラン。シンプルな醤油味。美味しゅうございましたよ。看板も無いストイックな店だった。




気温31度、湿度低い。年に数日あるかないかのベストコンディションを満喫しました。
夏は日差しの強さが違うね、北東北でもそれは感じる。




高度を身体で感じられるのもバイクに乗っているからこそ。遠野は盆地だから暑かったな、ここからちょっと東進して国道340号で北上したんだけど、そこは涼しかった。50km移動すれば気温も全然違うね。Tシャツ一枚で乗ってるから気付くのかも知れないけど。

遠野ー川井間のR340は岩手県の名道のひとつ。北上から宮守に抜けるR107も絡めたコース取りは県内でもベストに近いんじゃないかな。

乗っていてかなり緊張するから、ウォーキングや登山とは明らかに感じるカタルシスが違うけど、やはりバイクも最高なのである。




日本中、いや、世界が震撼した暗殺事件からひと月が経った。
世の中も事件直後のショック状態から脱して冷静さを取り戻しつつあり、だいぶ事件のバックグラウンドも明らかになってきた。そこから見えるのは、容疑者の意図がほぼ完璧に満たされた犯罪だったという事だ(ええ、重大な犯罪ですよ、人殺しですからね。如何にそこにのっぴきならない動機ががあろうとも)。事件自体後世の教科書に載るレベルのものでもあるけど、その狙いを射止めた精度は、世界の犯罪史上でも例を見ないんじゃないかと思う。普通に考えてあり得ない。巻き添えもなく目標だけを正確に抹殺し、のみならず今まで大衆の目に見えなかった重大な問題を白日の元に晒した。こんな「完璧な犯罪」は神がかりレベルだと思う。

事件によって殺された元首相の事は、僕は政治家としては全く評価していない。出来れば政治家という呼称すら使いたくなくて、以前は「政治屋」という呼び方をしていたくらい、はっきり言えば嫌いな人だった。一応ね、亡くなられた人に最低限の敬意を表して、元政治家、と言う呼称を使うけど。
彼は「3割」の使い方を知っていた。日本の国政選挙の投票率が約5割、その過半数の票を得る事が出来れば政権与党の座を失う事はない。半分の、更に過半数だから、国民の約3割を厚遇すれば政権は安泰だと言う事になる。
その為には国民の分断を煽ることも厭わなかったね。嘘もついたし、屁理屈もこねた。無理筋も通した。それで「3割」の歓心を得られるのなら。

無能な人だったと思うよ、戦後の首相としてはその無能さはダントツで一番だったんじゃないだろうか。
でもね、これは彼がまだ生きていた頃から思ってたけど、首相と一国民、という関係じゃなく、例えば彼が向かいの家に住むしがないサラリーマンだったとしたら意外と仲良くなれたんじゃないのかなあ。そんなに頭は良くないけど、細君を大事にするどこか憎めない奴。そういう場面では彼はきっと僕の中でいいポジションに就く事ができたんじゃないかなあ。そんないい意味での育ちの良さを彼に感じていたのも正直なところ事実だね。
幸か不幸か、彼は政治家の一家に生まれた。母方の祖父と実の父親は有能な政治家だったけど、彼はそういう器じゃなかったんだね。それを自分で気付けず、政治家としての道を選択してしまったのがこんな形で死ななければならなかった一番の理由じゃないかなと思う。それが彼のカルマだったんだ。



そんな彼の人生にこの曲を捧げたいと思う。ブラック&ホワイト、多様なセクシャリティと示唆に富むメッセージ。仮に生前このPVを彼が観る機会があっても、多分何も受け取らなかったとは思うけど。それもまた彼のカルマだよね。
そう、カルマは気まぐれ、なのである。






2 comments on “2022年7月

  1. shivatak

    横浜でET3とPX乗ってる者です。毎度楽しみに読ませて頂いております。

    先日の暗殺事件に関する文章はまさに我が意を得たり、思わず久々にコメントさせて頂きました。カルチャークラブでの追悼、キレキレです。

    いつかシングルモルトご一緒したいものです。

    • ヨコチン Post author

      shivatakさん、いつもコメントありがとうございます。

      お褒め頂き嬉しいです。元々ボーイジョージの事は好きなんですが、少しタネ明かしをすると、以前、確かマツコデラックスさんだったと思うけど、この曲「カーマ(カルマ)は気まぐれってもの凄いタイトルだわね」って仰ってたんですよ。
      確かに、と深く感じ入った僕は、いつか使えるかと思い心のネタ帳にメモしておいたのでした。

      シングルモルトで一杯、いいですね^_^ 楽しい酒席になりそうです。

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