一時不停止で捕まった話

本当はもっと建設的な記事を書く予定だったんだけど、今日タイトルのような出来事があり、どうもそういう気分じゃないのでアウトサイダーたる所以的な記事を書く事にする。気分は決して良くないので画像は無しだ。


午前中に病院で診察を受ける予約をしていて、それを済ませた後先月分の請求書が入った封筒を投函するために駅裏の郵便局に向けてET3を走らせていた。マリオスロードの信号を右折、テレビ局横のT字路を左折、さらに左折で郵便局に到着するという行程。一時停止の標識があるT字路を左折したところで、前から走ってきた警官に停められた。


ここ、市内でも有名な取り締まりスポットで、免許証が命の次に大事な僕はそれを重々承知していた。道交法に完璧に則った運転は、横断歩道前の停止線で一時停止、その後左右が見渡せる場所まで出て、安全確認後左折、が正解。僕は徐行はしたものの停止線でしっかり止まらなかったという事で警官に停められた由。


当然横断歩道の左右に歩行者がいなかった事は確認済み、交差点に入る前も左右を確認し、車両が来ていないことを確認してから交差点に入った。また、これは昔白バイ警官から教えてもらった事なんだけど、バイクの一時停止の判断基準は「左足が地面に接しているかどうか」らしく、今日も完全に停止はしないまでも左足は地面に付けていた。
まあ厳密に、というか、正しく言えば違反だね。でも、何故か素直に切符を切られる気分じゃなかった。安全は十分に確認していたし、ちょっと今日は腹の虫の居処が悪かったんですね。
という事で、警官ふたり相手にバトル開始。


こういう時大事なのは証拠の保全。取った言質を記録として残すこと。具体的には録音録画。今は誰もが持っているスマートフォンで簡単に出来る。録画しながらふたりの氏名と所属を話させてからこちらの言い分を伝えると、撮らないでください、と若い警官。「なんで?正当な取り締まりなんだったら撮られても別に構わねえじゃん、なんかやましい事でもあんの?」「いや、取り締まりは正当だけど、普通撮影されるのは嫌だと思います」「普通とか全然意味わかんねえし、隠れてコソコソ取り締まってたのが引け目なんじゃねえの?」「そんな事はないですけどやめて下さい」「こっちも自分の身は自分で守らなきゃなんねえからな、撮るのはやめねえぞ」などと不毛なやり取りをしているうちにお互いヒートアップ。後で自分が撮った動画見返したら公務執行妨害一歩手前だったな。
当然の流れとして応援の警官を呼ばれる。気配を察した僕は携帯電話の向こうに聞こえるように大声で「おう、この件は監察官室(後述します)に一報入れっからな!」と怒鳴る。


程なくして到着した応援のベテランっぽい警官ふたり。キレたふりしながら内心は冷静なのでまずは出方を伺うと、とりあえず頭ごなしには来ない感じ。監察官室というワードが効いているのか。
で、再度こちらの主張を繰り返す。やはり録画はやめてくれ、と言われる。カメラは回したままパーカーのポケットにスマホを突っ込んで録音は続けた。

まあこういう経験なんて無いに越した事ないんだけど、こういう具合に双方の話が平行線を辿った時、最後は被疑者(この場合は僕)が、違反を認めるか否か、という地点に着地する。取り締まりにひとりで(これも重要)当たっていた若い警官の致命的な職務上の瑕疵の言質を録音出来た僕は今回はそれを認めず、その際には検察官が起訴するか否かを判断する調書を作成する事になる。
この通り作文は得意なので、一番年上っぽい警官に用紙3枚に渡る僕の主張を思う存分書かせ、渡された違反切符にはサインせずに調書の方に記名捺印をする。ベテランふたりから「反則金は納付しないんですか?すればチャラですよ」と暗に切符にサインすることを勧められるが断固拒否。現時点では検察庁から出頭命令が来るか来ないかを待つ、という立場です。全てが終わった去り際に「今までの会話全部録音してたからね」と告げたらその場にいた4人全員表情がフリーズしてたな。









多分この記事を読んだ人の多くは気分を害するんじゃないかと思う。違反したんならそれを清く認めるのが筋なんじゃないかと考える人がこの国には多いと感じているからだ。
でも、悪いが僕はそういう過度な遵法意識を持ち合わせていない。その手の遵法意識は時として「法に抵触しなければ何をやってもいい」という考えに繋がり、僕はそういう思考回路を徹頭徹尾嫌っている。
そういう思考回路は時として個としての、または公の大切な、本来の意味でのモラルを著しく破壊する。法に反しないならポケモンカードの発売日には転売目的のバイヤーが販売店に殺到し、公人は平気な顔をして筋の通らない国会答弁を繰り返す。そして今日の僕は腹の虫の居処が悪かった。決定的に。

記事を書く前に軽く調べたけど、今回のケースでは9割がた検察からの出頭命令は来ないと思う。でも万が一出頭命令が来たら、その際は検察官に面と向かって「こんなくだらない事で行政処分を課されるのなら、今後一切この国のためになる行動はしねえからな」と啖呵を切るつもりだ。当たり前だ、重要な公人の公職選挙法違反は立件せずにこんな枝葉末節な罪をただただ立件されてたまるか。
それがアウトサイダーとしての僕の筋の通し方だ。



最後に、「監察官室」について。
なかなか聞き覚えのない名前かも知れないけど、警察行政(って言っていいのかな)を監査する部署なんですよ。「警察の警察」とも呼ばれています。今日もかなり高圧的で不快な言葉を警官から受けたんだけど、そういった扱いを受けた場合の、一番効果的な苦情受付の窓口になります。
これ、現職の警官は本当に嫌らしいね、かなりちゃんとした取調べをするようで、もしかしたら警官の人事考課にも影響するのかも知れない。本日、実に腹の虫の居処が悪かった僕は録画録音した発言を元にがっつりと苦情申し立てをさせて頂きました。若い警官ふたりは忠実に職務を全うしていたつもりなのかも知れないけど、それは繰り返すが腹の虫の居処が甚だ悪かったアウトサイダーに声をかけた自らの不運を呪ってもらうしかないかな。ご愁傷様です。
ちなみに岩手県警の場合、電話はすんなり繋いではくれなかった。別の部署に回そうとするんだよね。3回「監察官室に繋いでください」と繰り返したらようやく繋いでもらえた。


後日談は多分ないと思うけど、出頭命令があった時は都度記事を書きます。何の得にもならない今回の騒動、腹の虫ひとつで人生は左右されるって事承知でやってます。そしてそんな人生に微塵も後悔とかないです。






2 comments on “一時不停止で捕まった話

  1. shivatak

    私ゃ断固支持しますね!
    公僕の意味を考えろ!と言いたくなる警官結構いますもんね

    • ヨコチン Post author

      shivatakさん、おはようございます。
      ありがとうございます。こういう「取り締まりの為の取り締まり」が無くならないのは、警官って違反や犯罪の検挙数で評価を受ける「実績制度」に問題があるって言われてますね。多少無理やりでも数さえ上げればとりあえず組織からは評価されるという。そんなつまらない制度に翻弄されていられないのでね。
      でも僕も気の緩みがあったんだと思います、またしばらくは捕まらない運転に徹したいと思ってます。

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