ET3のエンジン焼き付き修理 その11

2ヶ月以上にわたる、実を結ばない奮闘努力をこの場所に書き続けていて良かったな、と思うのは、古い友達だったり、blogを読んで下さっていたはじめましての方だったりがコメントをくれる事。
こちらとしても考えがまとまるし、一人では持てなかっただろう視点を持てたりもするし、気付かなかったことに気付いたりもする。

それはこういう場所を持っていなかったらあり得なかった事で、素直にありがたい。だし、何かしらのレスポンスがあるというのはやはり嬉しい。
きっと少なからずの人が僕の要領の得ない作業の顛末を眺めながら、パソコンやスマホの画面に向かって「そこ見てみたらいいのに」とか「オレ的な原因はあそこだな」とか呟いてんだろうな、って。コメントを頂くというのは、そういう事を可視化させてくれる。これは書き手冥利に尽きるね。

内田樹さんという、僕の好きな人が最近以下のような文章を書いた。ちょっとだけ抜粋します。


人間は他者からの「真率な敬意」を糧にして、それを保持するためにさまざまな工夫をし、またさまざまな「瘦せ我慢」をして生きる存在なのである。人間は敬意なしには生きている気がしない。それはヘーゲルが直感した通りである。

内田樹の研究室より一部抜粋




僕に関しては敬意、とまでは言わないけど、人はひとりでは生きられないという言葉はある意味こういう形で表されるのだろう。これは実感として分かる。
飄々としているように見える人でもきっとそう。水面下ではめっちゃ足をばたばたさせているに違いないのだ。もちろんこんなblogを書いている僕もそうだよね。




さて今日は一昨日錆び取りの施工をしていたタンクの取り付けから。
タンクを満たしていたクリーナーを抜く。




その後、薄めたタンククリーナーでタンク内部をリンスする。
花咲かGのタンククリーナーの評判が高い所は、錆の再発が少ないという事。そのために重要なのがこのリンスの工程なんだろな。
エアブローしたりしないで、陽のあたる場所で乾燥させる。




ちょっと分かりづらいけど、コックが付くタンク底面の穴から、ジャリジャリに錆びていたタンクの天板を見たところ。錆はすっかり取れているね。




で、サクサク組み付けていきます。燃料コックのゴムパッキンには両面にシリコングリスを塗り…




専用のSSTを使って組み付け。
このSST、買った時にはこんなに使うとは思ってなかったけど、十分元を取るくらいは使った。




で、タンクをマウント。一応キックしてみるもエンジンは掛からない。いいよもう期待してないもん。




で、今日はマフラーに手をかける。コメント欄で数人の方に指摘されていた部分。正直に言うと、僕はバラす直前まで動いていたエンジンだから可能性はないな、正常だろう、とタカをくくっていた。
でももう他に出来る事ないしね、やるだけやってみるか、と車体からマフラーを外す。シラサワさんが言う「ハズレの証明」をやってみないとね。

エアブローしてみると、ん?少しエアの抜け具合が悪いか?という印象。言ってもストレート構造のサイレンサーじゃないし、入り口から入れたエアがどのくらいの勢いで出口から出てくるのかは分からない。それにしてもちょっと弱いような…




よし!と思い立ち、マフラーを焼いてみることに。最近焚き火してなかったしちょうどいいや。

あれこれ考え事しながら炎を眺めつつ2時間くらい焼いただろうか、入り口や出口から圧縮エアを吹き入れるとボーっと盛大に炎が上がる。買ってきた薪がなくなる頃煙も少なくなり、そのままマフラーを冷やす。




ET3の純正マフラーの出口はこんな感じでロッドがビス留めされていて、どういう仕組みになっているのか分からないけど、燃やす前はカーボンが堆積しているのかどうやっても抜けてこなかった。だからそのまま焼いたんだけど、焼いている最中も気になって、抜く方法をあれこれ考えていた。

で、出口の端をバイスグリップで咥えて、そのバイスグリップをプラハンで軽く叩いてやると少しづつ抜けてきた。おっしゃ。




抜いたロッドはこういう形状。横穴がいくつか開いていて、そこから排気が抜ける仕組みらしい。出口の反対側は塞がれている。で、その穴は焼いた後も半分くらいカーボンで塞がっていた。普通に動いていた頃もマフラーの状態は決して良くはなかったんだね。
それをざっと綺麗にして、マフラーに装着、さらに車体に取り付けてキックを踏んでみる。

初爆、というか、エンジンが掛かりたがっている感触が感じられた。15年付き合った僕にしか分からない感触だ。5回キックして掛からなかったので迷わずに押し掛けを試みる。これワンチャンある。

果たして、ギアを3速に入れ、走りながらクラッチを繋ぐとすぐにポン、ポンと爆発があった。頃合いを見てクラッチを切りスロットルを捻ると、ボボボボボとエンジンが始動した。すかさずシートにまたがって、かかとでチョークレバーを引っ込め丁寧にスロットルを操作する。すると若干カブり気味ではあるものの正常に吹ける。やった!!エンジン掛かった!!!!




動画の通り始動性も良く、アイドリングも安定している。もう夜も遅かったので今日の作業はここまで、明日の午前中は義理事があるので、明日の午後と明後日で実走テストしてみます。



正直この2ヶ月、ET3の事ばかり考えていた。ここに書いた通り休みのたびに実際に手を汚して作業したけどそれは報われず、辛い思いばかりしていた。いや大袈裟だけどさ、ホント辛かったし長かった。このポンコツスクーターが自分にとっていかに大事な存在だったかって事も心底身に染みた。いい経験だったな、と思う。


なかなか始動しなかった原因は、直接的にはマフラーの詰まりだったのだろう、以前の環境ではなあなあで掛かっていたんだけど、新しいピストンと圧縮圧力だとそれが出来なかった、という感じなんだと思う。内燃機関って意外とあいまいなんだなって逆に思った。

だし、排気系を疑っては?という指摘をコメントでしてくれたシラサワさんと、jfyさんには最大限の感謝を伝えたいです。僕ひとりではここまでたどり着けなかったと思います。ありがとうございました。


やはりこういう日の酒は旨いですね。僕自身の統計だけど、人生報われない事8割、でも残り2割の愉しみでバランス取れてる。生きるって悪くない。
さて、明日は大好きだった先輩を見送る義理事です。寝坊してらんないのでもう寝る事にします。









2 comments on “ET3のエンジン焼き付き修理 その11

  1. おー,おめでとうです!よかったよかった,これでゆっくり寝れますね(笑)
    2ストは排気系もあるからなぁとは思いはしましたが,まさか本当にって感じですよ.
    チャンバー焼くなんて聞くの高校以来だ,懐かしいーwww

    • ヨコチン Post author

      いやーおかげさまです本当に。胸の支えが取れました。
      家の前でマフラー焼き、面白かったですよ、近所の視線とかw

      で。
      この子ほんとうに手強くて、なかなかすんなり終わらせてくれないみたいです。
      明日、書けたら書きますけど後日談?アリです。お楽しみに〜

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