2026夏 出羽三山を巡る旅 1日目

お盆は仕事でどこにも行けなかったので、9月22日23日の一泊二日で出羽三山に行ってきた。
出発の二日前にFXRが修理から無事戻ってきたんだけど、せっかくXR250を旅仕様に仕上げたのでXRで出掛けることにした。久しぶりにオフ車でツーリングしたかったし。

出羽三山とは山形県にある羽黒山、月山、湯殿山の総称で、それぞれに由緒正しい神社がある。去年のGWに羽黒山神社には行ってるんだけど、月山神社、湯殿山神社には行ったことがなくて。
というのも、雪深い月山連峰にあるもんだから参拝できる期間が限られてて、GWだと羽黒山神社しか参拝できないのだ。湯殿山神社は6月1日から11月3日まで、月山神社に至っては7月1日から9月中旬までしか参拝することが出来ない。
今の時期なら三つの神社全てに行くことが出来るのだけど、月山神社は月山の山頂にあるため、片道約3時間くらいの登山をしなければ参拝できず(当然それなりの登山の準備が必要)、バイク旅をしながらではハードルがちょいと高いため今回は見送った。片道3時間の登山をする体力にも自信がなかったし。

だから、今回の旅は羽黒山神社と湯殿山神社を巡る旅、が正確なタイトルだね。でも旅を通じて出羽三山や日本の信仰の歴史などを学べたので、出羽三山を巡る旅と言っても間違いではないだろう。思いを馳せるのも旅の一つの形だと思うし、そのくらい深く出羽三山や修験道に興味を持てた本当にいい旅だった。




旅の前にXRのオイル交換をする。指定は10W-30という粘度だったが、夏場だし30年前とは道路の状況も変わっているのでワコーズの10W-40の化学合成油を入れた。エレメントも同時に交換。
XRには小さいけどオイルクーラーが純正で付いていて、渋滞にはまって油温が上がっても走り出しさえすれば下がってくれるんじゃないかな、特に初日はかなり暑かったんだけどオーバーヒート傾向は皆無だった。

出発の日、5時に起きて準備をしていたら、毎週末子供たちのことで長電話しているおかげかすっかり仲直りした元嫁から「気をつけて行ってきてね」とLINE。昔は絶対にこんな事する奴じゃなかったんだけど、まあお互い変わりましたね。
連絡を再び取り出したのは子供達についての相談がきっかけだったけど、それを子供達のおかげだと言ったら子供達に悪いな。でもこうやって再び仲良くしているのが子供達のためになるんだったらそれはそれで意味のある事なんだろう。




AM7:30分に出発。いつものコンビニでウィーダーインゼリーを朝飯がわりに飲む。気温は23度くらい、寒いかなと思ってコーチジャケットを積んでいったんだけど湿度があるせいか寒さは感じず、Tシャツにアームカバーというこの時期のいつものスタイルで走り出す。
いつもの県道1号線を走り、まずは秋田県横手市を目指す。この辺は勝手知ったるいつもの道なのでさほど緊張もせずに走る。XRはミッションが3速から上がクロスレシオになっていて、やわっとあるパワーバンドを上手くキープして走ることが出来る。ファイナルもツーリングに丁度いい具合で、全開にすれば120km/hくらい出るのかなあ、でも一般道だし当然そんなにはスロットルを開けずに走る。リムに重いビードストッパーが入っているから、情報によると100km/hくらいが快適に走れる巡航の限界らしい。フロントのスプロケは(恐らく)純正の丁数、リアが47丁というサイズでいい感じに走れる。




横手市、十文字市を越えたあたりで湯殿山神社を参拝するのに必要なフェイスタオルを持ってくるのを忘れたことに気付きワークマンで購入。この頃には日差しもずいぶん強くなりかなり暑くなってきた。




昼前に新庄市に着き、道の駅で一服。ニコチンと水分を補給する。
そろそろ腹減ったな、という事でGoogleマップで付近の飲食店を検索すると道の駅の隣に蕎麦屋がある。ここでいいかと入ったらこの店の蕎麦が超絶美味だった。
元々山形は蕎麦どころで、美味しい蕎麦屋がたくさんあるんだけど、本当に美味しい店だった。ゲソ天付き板蕎麦大盛りをぺろっと食べちゃいました。
あまりに美味しかったので、会計の時に「めちゃくちゃ美味しかったです」と感想を述べると、奥から店主が出てきてくれて二言三言言葉を交わす。別に気に入られようとかそういう下心がある訳じゃなかったけど、ちゃんと面と向かって感想と感謝を伝える事っていい事なんじゃないのかなあ。
久しぶりに本場の本物の蕎麦を頂きました。




新庄市から退屈な国道13号を右折して国道47号線に入る。去年も走ったけど、ツーリングで走る道としては最高の道路。流量の多い最上川沿いを西に向かって下るコースで、かなり暑いがめちゃくちゃ気持ちがいい。
久しぶりにオフ車でロングに出たけど、当然だけどサスの動きがいいので路面のギャップに振り回されることもなく快適ですね、機関はマフラーまで純正だけど、ツーリングメインで使うなら変にいじらないほうがいいかも。FCRキットも売ってたりするんだけど、経験上長旅をするにはいい意味で鈍感なバイクの方が疲れなかったりするんだよね。スロットル操作に変に敏感だったりすると地味に疲れが溜まる。必要最低減プラスαのパワーとちょっとの熱でもへこたれないタフネスさがあれば十分に楽しい旅の相棒になる。
ただ、XR250は車高が高いので乗り降りに体力を使う。ただでさえ高いシートのリアに荷物を積んでいるから、ブーツを履いた足をそこまで上げるのがしんどくて。履いているジーンズも汗で湿ってまとわりついてくるから余計だ。オフロードジャージで走れば快適なんだろうけど、なんかそれは嫌なんだよなあ、、、。なんでだろ?




今回もスマホナビは無し。事前におおまかなルートや目印は頭に入れておいたけど、このドライブインを過ぎた辺りから左に折れるんだよなと思い休憩がてらルートを確認する。




国道47号線はこんな感じで最上川と並走する。気持ちはとことんいい道路だけどとにかく暑い。熱中症には十分気をつけて、水分を常に多めに補給しながら走る。




先ほどのドライブインから1時間くらい走って羽黒山神社の五重塔に着く。去年来た時はここには来なかったから人生初だ。
ここで勘のいい人なら「神社なのになんで五重塔があるんだ?」と疑問に思うだろう。そう、出羽三山は明治維新以前には普通だった神仏混淆(こんこう)、日本古来の八百万(やおよろず)の神様(神社)と仏様(寺)が一緒に居られる、今となっては大変貴重な場所なのだ。

明治維新後に出来た明治政府は、天皇家の威光を高めるために神仏判然令を出し、それまでは境が曖昧だった日本固有の神道と外国から渡来してきた仏教を明確に分ける政策を取る。中学や高校の日本史で習ったと思うけど、仏像や寺院が破壊されたり、経典が燃やされたりしたのだ。それはかなり熾烈な施策だったようで、地元の人達は歴史のある修験道の聖地を半ば命懸けで守ったらしい。




この山門から10分くらい歩いたところにあるこの五重塔も破壊を免れて現存している。今では国宝になっているらしい。




いかにも東北らしい、華美な飾り気のない造りだけどオーラが半端ない。




凄い作りだよね、これって確か釘とか使わないで作ってあるんだよね。宮大工さんたちの技術といったら、、、。時を忘れて見入ってしまった。




出羽三山は修験道、修行のための神社だからして、正式な参拝方法はこの五重塔の奥から続く、2446段の石段を登って神社の本殿に向かうのだがこちとらそんな体力はない。履いているのはタイトめのジーンズにエンデューロブーツだし、バイクを下に置いて行ったら下ってもこなければならないし。なのでまた山門に戻ってバイクで本殿に向かう。
でも中にはちゃんとそれなりの装備を身につけて、歩いて石段を登っていく人たちもいた。もし登るなら車で来なきゃだな、いつか2泊3日くらいの時間を取って、月山神社も含めてフル参拝したいところだ。




バイクで5分くらい走り本殿へ向かう。神社仏閣参りに関しては先輩の元嫁が参拝方法を簡単に教えてくれた。まずは鳥居をくぐる時に「どこそこから来た何の誰それです」と挨拶をするらしい。




その後本殿に向かいお参りをするのだけど、特にお願いをする必要はないんだと。なんで?と聞けば、神様は全部見ているんだよ、と。

これがめちゃくちゃ腑に落ちた。

僕は今まで信仰というものが何なのか全然分かっていなかった。この記事を読んでいる方に信仰を持っている方がいたら申し訳ないんだけど、特に一神教、キリストだったりアラーだったりを崇拝する気持ちが、僕としてはよく理解出来なかったのだ。
友達に聞いて、仏教の入門書も2.3冊読んだ事もあるんだけどどうもピンとこなくって、ずっとモヤモヤとしていたんだけど、この一言で僕なりの信仰ってこういうものなんじゃないのかなってのに気付けた気がした。

神さま、というと抵抗がある人もいるだろうから、ここは、たとえば「お天道さま」に置き換えてもいいかも知れない。よく言うじゃん、お天道さまに向かって恥ずかしくないように生きろ、とかさ。
僕にとっての信仰ってそういうものなのかなって、すうっと心に入ってきたんだよね。

真っ当に生きて、それをたまに報告しに来る。それが別に神社やお寺じゃなくても良くて、先祖のお墓だったり、見ていると落ち着く一本の樹木だったり、川の流れだったり、それこそ太陽だったり月だったり。
迷った時、世間に翻弄されて我を見失いそうになった時、辛い時や楽しい時にそれを密やかに報告する「何か」。そういう存在が、自分にとっての信仰なのかな、って。

もしかしたらめっちゃ頓珍漢な事を書いているのかも知れないけど、いろんな形があっていいと思うんだよね。想いが祈るという行為で形になる、ということ。その前奏として暑い中汗をかきながらバイクで200km以上走ってきたこと。僕にとってはとても意味があったよ。

ちなみに神仏の仏、仏教は一神教ではないんだって。ブッダって象徴がいるけどあれは神ではなく、あなたも修行すればブッダになれる、というのが仏教の教えらしい。






いい時間だったな、また来よう。




その後30分くらい走って、鶴岡駅前の予約してあったホテルにチェックイン。この日の走行距離255km。意外と走ったね。部屋に入り一休みしてから晩飯がわりに軽く飲みに出かける。
3杯くらいサッと飲んですぐホテルに戻り、風呂に入り、明日のルートを確認して早めに寝た。普段の疲れが全然抜けていないのだ。明日は6時に起きて今回の旅のメインイベントの湯殿山神社参拝だ。休むのも旅のうち。もう若くはないのだから。






この子カッコいいよね。グループにいた時から他の子とはちょっと違うなって思ってたけど、やっぱり頭ひとつ抜けた感ある。カヴァーの選曲もね。
ヴォーカルって、もちろんジャストの音程の方もいるんだけど、シャープだったりフラットだったり、往々にして音程はブレる。僕はフラットにブレたヴォーカルの方が断然好みで、そういう意味でもこの子の歌は心地いいなあ。だし、カヴァーの方が聴きやすい曲ってのも間違いなくあるよ。

原曲はご存知の方も多いと思うけど鬼束ちひろさん作。2000年リリース、彼女が19歳の時に書いた曲らしい。
当時音楽にはかなりアンテナを張っていた時期だったので、なんかすげえのが出てきたなあ、とちょっと衝撃を受けたのを覚えている。何てったってサビが”I am God’s Child この腐敗した世界に堕とされた”だからね。自分を神の子供と称する人はなかなかいない。
数年前に器物破損かなんかでパクられたのがニュースになってたけど、この曲の事を知っていたから僕はそんなに驚かなかった。確かその少し前にちょっと物騒なツイートして話題になってたってのもあったし。
いずれにせよ、こんな場所でどうやって生きていけばいいの?って19歳の時に歌っていた子が今でも生きているだけでこの上なく尊いことだと思う。











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