
先週の土曜日、FXRで仙台に行ってきた。
熱中症にならなければ7月の3連休に泊まりで行く予定だったんだけど、前回のエントリ通り連休は高熱にうなされてずっと寝ていたのでね。時間がある時に用事をやっつけちゃおう、と。
それと、明日9日から2泊3日で旅に出るので、その予行演習も兼ねて日帰りで走ってきました。
目的は、妹と会って話すこと。僕たちにはお袋と姉がいるんだけど、僕はふたりとあまり?折り合いが良くない。あまりじゃないな、ほとんど音信が無いと言ってもいいくらい顔を合わせていない。
お袋もまだ元気だとは言え高齢だし、きょうだいに男は僕ひとり。話の通じる妹には色々話しておかなければならない事がある。
かなり気は重いが、それにかまけて後回しにしていては後で絶対に後悔するんだろうなという事は容易に想像出来たので、これまたご無沙汰している義弟へのお土産のスコッチをディフェンダーバッグに突っ込んで家を出た。

いつものスタンドでハイオクを満タンにする。
盛岡は終日晴れ予報だったが、目的地の仙台は雨予報。しかも曇り時々雨とかじゃなくてかなりがっつり降るみたい。それでもクルマじゃなくてFXRで行く事にした。たまには雨の中走るのもいいだろ。
新調したレインウェアとブーツカバーもバッグに入れた。
準備はOK、快晴の東北道を南進する。

先日熱中症になったばかりなので、対策には気を使った。これ新兵器のワークマンのペットボトルクーラー。
ディフェンダーバッグは色が黒いから夏は内部はかなり高熱になるようで、飲みさしのペットボトルを裸で入れておくと、次の休憩の時には白湯かよってくらい熱くなっている。
飲み心地も良くないし、熱中症対策には身体を冷やすのも大事だって事は思い知ったので何か対策を考えていたんだよね。Webでこれはいい!という記事を見て、レインウェアと一緒に買ってみた。
これ、いいです。980円税込みとは思えない性能。真夏の日差しの中かなり高温になるディフェンダーバッグの中に入れておいても2時間は冷たさをキープ出来る。
セットも簡単で、上部のねじ込み式の蓋を開けてペットボトルを入れるだけ。この時期は水分をかなり摂るので、コンビニや自販機で買ったペットボトルを半分飲みこのクーラーにセット、1時間後に残り半分を飲むみたいな感じになるんだけど、1時間だとまだ全然冷え冷え。これはいい。
魔法瓶(マグボトル)を持ち歩くよりも簡単だしスマートかなって思う。
ローソンPBの600mlの背の高い水のペットボトルも入ったので大概のペットボトルはセット出来るんじゃないだろうか。おすすめです。

メットは、今回の行程はほぼ高速オンリーなので、去年買ってあったフルフェイスを被っていった。
SHOEIのグラムスター。ルックスもいいし色もいいよね、シールドも敢えてのクリア。買った時から気に入っていたんだけど被って走るのは実は初めて。つか、シールド付きのフルフェイス被るのなんて数十年ぶりだ。
高速では圧倒的に楽!眼鏡が風でブレる事もなくライディングに集中出来る。フィット感も流石国産、丸一日被っても疲れる事はなかった。ハーレーに似合うフルフェイスだとシンプソンなんかが筆頭なんだろうけど、ちょっとベタかなって思ってSHOEIをチョイスしてみました。
でもやはり爽快感はオープンフェイスのジェットには到底敵わない。明日からのツーリングにどっちを被っていくか悩むところだ。

一関辺りで一度目の休憩。まだ青空が出ている。
目的地の仙台はこの時点ではまだ雨予報。妹に仙台の天気を問い合わせるLINEを送るが返信がない。まだ寝てんのかな?レインウェアを着るタイミングが難しい。気温もかなり暑い日だったから。
まあいい、降ってきたら着よう。これだけ暑けりゃ多少濡れてもすぐ乾くだろ。
バイクなんてどんな楽しみ方をしてもいいと思う。天気のいい休日にちょっと乗って仲間とダベったり、盆栽よろしくたくさんお金をかけてカスタムして磨くの専門だっていい。速い遅いなんてそれこそどうでもいい。趣味なんだから好きに楽しめばいいんだ。それに尽きる。
けど僕がリスペクトするのはやはりロングに出る人だ。というか、ロングツーリングにこそバイクの本当の楽しさがあるんじゃないかと僕は思っている。
ロングツーリングは、疲れる。ホテルを予約しての行程だと目的地が決まっているから、雨の中を走らざるを得ない状況にもなる。ロングに一度でも出た事がある人なら分かると思うけど、1日に一度は「あーなんでこんな事やってんだろ」って心底思う瞬間がある。時間とお金を使って、それなりの危険を冒して、時には雨にも降られて、肩も尻も痛くなって、一日中風に吹かれっぱなしで疲労困憊した時にそう思う。
それでもある種の人間は旅に出る。雨や暑さ寒さを恐れずに。
いやちょっと違うな、誰だって雨になんか降られたくない。旅の行程全てがいい天気ならそれに越した事はない。そりゃそうだよね。
でもそう都合よくいかないのがロングツーリングだ。雨に降られる事もあればメカニカルなトラブルに見舞われる事もある。去年あまりの豪雨予報に日和ってクルマで行った盆旅行、東北道を南進している時、路肩に旧いBMWのGSがエンコして停まっているのを見た。叩きつけるような豪雨と風の中のトラブル。旅の武運を心から祈った瞬間だった。
そんな事態は誰だって避けたい。けど避けられないリスクを冒しても走らずにいられない人を見ると、分かってんなー、って思う。
だって、生きるってそういう事でしょ?生きてれば気持ちのいい一日もあれば本当に酷い一日もある。旅なんてそんな人生の一コマの濃密な縮図なだけであって。リスクを冒した上でしか得る事の出来ない経験や、見る事の出来ない景色ってあるんだよ。敢えてそれを見に行く人を僕はリスペクトするし、自分もそうありたいなって思う、という事です。
ラビット仲間のキチガイが、自走で長野だったかのミーティングに行った時の話。めっちゃ豪雨予報で、大丈夫なのかなあ?って思ってたら、別のキチガイの旅人が、雨で良かったじゃん、辛い旅の方が記憶に残るよ!って言葉を掛けてて。
こういうバカとつるんでいたいなあって心から思った瞬間だった。
結局この日は覚悟していた雨に本格的に降られる事はなく、無事仙台に着いた。こういう日もあるんだよ、もちろん逆もね。仙台宮城ICで東北道を降りて市街地に向かう仙台西道路が渋滞で、暑くて辛かったけど。

数年ぶりに会う妹は流石に歳を取ったなって思ったけど、相変わらず末っ子らしい可愛らしさをキープしていて流石だなって思った。言うなれば永遠のコマダム。笑
お互いの近況報告から始まり、本題のちょっと重たい話まで、2時間話しっぱなしであっという間に時間が過ぎた。
意外だったのが、僕が折り合いの悪いお袋と姉に対しては、妹もあまりいい感情を持っていなかったという事だった。敢えてやんわりと書くけどね。
これは意外だったし、少し嬉しかった。身内の恥をWebに晒す事は気が引けるから詳細は書かないけど、僕だって揉めたくて揉めてる訳じゃなく、折り合いの悪さにはそれなりの理由がある。でも、心のどこかに自分が間違っているんじゃないかという葛藤もずうっとあって。そういう引け目みたいな気持ちがすうっと楽になった。やっぱり来て良かったな。
妹が飼っている猫が体調を悪くしているらしく、この日はあまり時間が取れなかったが、今度義弟も含めて3人で飲もうぜ、って話になり別れた。ここ数年の僕にとっては血縁って悪い意味での重荷でしかなかったけど、意外と近い場所に理解者がいてくれて、正直かなり救われたな。

用事は済んだ。さあ帰ろう。
時間は14時過ぎ。また東北道を走って戻っても良かったが、もっと走りたい気分だったので三陸道回りで帰る事にした。
店を出てすぐに通り雨に当たってしまったが、空を見たらにわか雨だって分かったからコンビニの軒下で雨宿りしてやり過ごす。別に急いでないし、通り雨をやり過ごす事だって生きる上での機微だよね。
三陸道に乗るまでの間、気温35度の雨あがりの渋滞は身体にもバイクにも堪えたけど、乗ってしまえば快適そのもの。ハーレーの良いところは真っ直ぐな道を走っていても楽しいところ。一般道の方が僕は好きだけど、自動車専用道路をそこそこのペースで走るだけでも十分楽しい。

三陸道は東北道と違って周りの景色も多少見られるし意外といい道なんだけど、サービスエリア的なものが無いのが一番のネック。タンクが小さくて足の短いバイクだと給油に苦労するかも知れない。
僕のFXRは満タンで300km以上走れるから問題無かったけど、休憩場所が少ないのはこの季節地味に辛い。

道の駅三滝堂はICを降りてすぐ近くにあるから立ち寄りやすい。バイクで旅をしていると、空調のしっかりしたスペースで座って休憩出来るのは本当にありがたい。疲れた身体にソフトクリームの甘さが沁みる。この味だってある程度の距離を走ってこそ味わえる味だよ。

陸前高田ICで三陸道を降り、最寄りのコンビニで休憩したのが17時。家まであと2時間、もう少しだ。気を抜かずに走り切ろう。

熱中症が怖くて水分を大量に摂るからトイレが近い。必要に迫られるから必然的に一時間に一度くらい休憩を取る事になる。
宮守の眼鏡橋でトイレ休憩。あと1時間、家に着くまでに日暮れちゃうな。

僕は基本夜はバイクに乗らないから、この時間まで走っているのは珍しい。まあたまには良いだろ。
19:30分に無事帰宅。走行距離430km。よく走ったな、いい1日だった。
さて、明日から2泊3日で旅に出てきます。旅日記をここに書けるよう、安全第一、体調に注意で東北の夏を満喫してきます。晩飯食って荷造りしようかね。
漫画家の東本昌平さんが亡くなった。
僕は氏の作品を全て好きな訳では無かったけど、有名な「キリン」、Point of no Return編は大好きだったしかなり影響も受けた。もう30年以上前の漫画なんだね、あの漫画がなかったらこんな変な大人になってなかったかも知れないな。そう思うと感謝しかない。ありがとうございました。
東本さんももっと走りたかったと思う。そんな思いもFXRに乗せて走ってきます。
お久しぶりです。
体調はもう大丈夫ですかね?
こちらも春先に、ずいぶん久しぶりに中古のカブとヘルメットを買いました。
ヘルメットはショーエイのEX-ZEROで、ちょうど同じグレーでクリアシールドでした(笑)
だいぶ感覚も鈍っていましたが、やっぱりバイクに乗るのは楽しいですよね。
明日から、そちらの天気はどうかわかりませんが、気をつけて楽しんできてください。
ご無沙汰です。
体調は、実は万全ではないんだよね。
後で詳しく書こうと思ってるんだけど、熱中症の後遺症が少しあって、その上昨日軽い食中毒になってしまって…。
まあ、しのごの言ってたら何も出来ないし、何よりも貴重な休日を無駄にしたくない。あと何度夏を迎えられるかも分からない歳になってしまったし。
大丈夫、君の気遣いをしっかりと抱えて無事に帰ってくるよ。
実はSHOEIを被るのは人生初なんだけど、Arai共々造りは流石だね、被っていて不快な感じが一切ない。
また乗り始めた様でオレも嬉しいです。お互い楽しもう!