日々 2018年8月

 

人生の後半を生きるにあたっての準備の準備のため(ややこしい書き方だけどこう書く以外に書きようがない)の勉強会が8月頭から始まった。
試験があるんですよ、法令の。まあそんなに難しくはないとは言うものの素手で受けたらボコボコにされるのは目に見えているので、毎日400頁以上あるテキストを眺め、練習問題を解く日々です。風呂上がりに酒も飲まずにペンを片手に練習問題に向かう父親を見た子供たちは「お…おとうが勉強してる…」と驚愕のまなざしで僕を見る。

確かにこういう姿を家族に見せた事はなかったかも。そもそも昔の話もあまりしないから、娘が僕が一応大学を出ているという事を知ったのも割と最近の話で、その事を知った娘は大層びっくりしてたっけ。

 

こんな僕も一時期は法律の条文を読むのを生業としていた事もあった。基本六法の中では民法を主に、たまに商法。あとはほぼ手続法だったからそっちはまだ読みやすかったけど、現職の頃は民法も商法もカナ書きの文語体だったから滅茶苦茶読み辛かった、というか、解説書がなければほとんど理解不能だった。

民法とか条文に濁点がないんだよね、制定当時、法律の条文はとても神聖なもので、濁点で濁すのを善しとしなかったんだという話を先輩に聞かされた記憶がある。
濁すことを善しとせず、か。確かにそんな格調の高さはビシバシと伝わってきたっけなあ。

 

まあそんな昔を思い出しながら勉強する日々です。

 

 

 

月初に北海道に行った時に借りたレンタカーはホンダのFitだった(現行型の4WD)。今出来のクルマにじっくりと乗る機会もそうそうないから結構楽しい体験ではあった。

ひと言で言うなら「燃費スペシャル」なクルマだったなあ。
動力性能は、1,300ccの4WDのレシプロエンジンのそれ。スペックなりで過不足はない。しっかりしたハンドリングと相まって、北海道のかなり速い交通の流れに乗って走るのは容易。一般道での一日200kmの移動も軽くこなす。そんな状況での燃費は20km/lオーバー。フルタイム4WDでこの数値は素直にすごいと思う。

けど、「サムシング」はまるで無いなー。僕が惹かれる萌えポイントは全くなかった。ロードノイズは大きめで道路の目地を越えた時には「パンパン」という音が大きく車内に響く。タイヤは6分山のDNA ECOSだったけど、音はタイヤじゃなくて車体の造りに由来してるっぽい。
かなり固めの足回りは、舗装の状態のいい道を走っている分には問題ないけど、市街地の荒れたアスファルトの上を走るとローリングが盛大に発生して、同乗者に不快感を与えないように運転するのは骨が折れた。

前述の通り走る曲がる止まるは全く不自由がないのだけど、もろもろ差し引くと何も残らないというか。Theピーズの初期の名曲に「納豆ばかり食っててもいいのか?」ってのがあるんだけど、そんな感じというか。納豆は安いし旨いし栄養もあるけど、毎日毎食食べるのは僕は寂しい、ということ。
自分で金払って買うか?と聞かれたら、うーん、と答えに窮する感じというか。うーん。

 

 

 

先週、縁あって2週間ほどカナダにホームステイをしてきた娘が日本に帰ってきた。
どう?楽しかった?と聞くと、日本に帰ってきたくないくらい楽しかった、と。みんな服装とかも自由で、自己主張全然オッケーで、無理に周りに合わせたりする必要がなくって最高すぎた、と。ほーほーほー。感受性の強いところがある娘は、短期間のうちに見るべきところをしっかり見てきたらしい。

 

で。
その事について一説ぶとうかな、8月の「日々」はこれで行こう、何書こう、と頭を捻っていたら、尊敬するミュージシャンがほぼ毎日書いているblogの今日の記事がこれだった。

 

おこがましい事は重々承知の上で書くけど。
最近僕の頭の中と氏の書く文章がドンピシャでシンクロする事が多い。先日、氏は「生まれ変わりたいとも人生をやり直したいとも思わない」という趣旨の事を書かれていて、その時も震えたんだけど。何故かと言えば、僕が飲みに行って酔っ払うと吐くセリフそのものだったから。

 

そうね、同調圧力。強烈だよね。僕なりに抗っていたら気付いたらここにいたよ、って感じ。
僕に関して言えば、たたかい方は甚だ不細工だったんだろうな、この鴻上尚史さんの文章、若い頃に読みたかったよ、と思ったから娘にも読ませた。娘の感想は、なかなか自分には難しい、というものだった。
そんな娘には100個くらいかけたい言葉あったけど、ひとつだけ、自分にとって居心地のいい場所が何処かって知ることが出来ただけでも貴重な体験だったんじゃないの?と話した。

北海道で息子に話した言葉の趣旨も同じ事だったよね。環境によって住み心地は全然違う、そして君達にはそれを選ぶ時間も自由もあるんだ、という事。
ふたりの子供にはその事はうまく伝えたいなあ。伝わるといいなあ。

 

で、ね。
そんな折、TwitterのTLにカナダのトルドー首相の画像が流れてきた。シンクロは続く。

僕も両肩と左胸にタトゥーを入れているけど、家族以外の他人にはまず見せない。開陳するのはロックフェスとか、まあ許されている銭湯とかでだけだ。何故かと言えば、僕が住んでいる田舎ではそれが致命傷になりかねないからだ。具体的に言えば、意地の悪い近所の人に、職場に密告される、とか、ね。くっだらねえ、と思うけど、失職したら僕はともかく家族に迷惑がかかる。そういう空気を肌で感じているから。会社の車で家に帰ってきたりしてるからねー。

いや僕の仕事なんて全然大した仕事じゃないんだけどさ、でも彼の国では首相がモロ出しですよ、どうなのこの自由さ加減は。

 

まあ鴻上さんも書いていたけど、日本には日本の良さがあるんだろうけどね。カナダにはカナダの辛さも。きっと。
だし、ここまで来たら僕はこのまま行くけどね、鍛錬の成果もあるのか、俯瞰して見れば同年代にしてみれば今は同調圧力的なものからは全然自由なはずだし。実際辛さも最近はほとんど感じない。
あとは心の中に楽園を作って、来るもの拒まず去るもの追わずでやっていくだけかなー。

 

 

グッドバイ・アンド・ハロー。ふふふ。

 

 

 

 

 

 

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