2023盆ツーリング3日目・苦尽甘来

僕はホテルに泊まるのが苦手だ。ただでさえ睡眠が不安定なのに加えていつもと違う枕とベッドなので、日によっては何度も目を覚ましてしまう。

人間は眠っている時もずっと頭で考え事をしているんだってね、そして起きた時に覚えているそんな考え事が夢なんだとか。
浅い眠りの中でその日見た夢は結構怖い、現実味のある夢で、起きた時はグッタリと疲れていた。正直面白くない内容だったし睡眠も足りないしで、朝から萎えながら朝食を摂り出発の準備をする。せっかく楽しいはずの旅の途中なのにね。




盆ツーリング最終日の今日はほぼ高速道路だけの行程で400kmちょっとの距離。休憩を入れても時間的には余裕があるが、盆の時期の高速道路、しかもお盆中盤なので混雑状況は先が読めない。
渋滞はキツイが、それよりも半袖のTシャツで走ってるので腕の日焼けが酷い。このまま走ったら皮膚が終わる、かと言ってコーチジャケットを着て走るには暑すぎる。なので宇都宮市内のワークマンに寄ってアームカバーを買う事に。
ワークマン、朝7時から営業してるからこういう時は助かるね。




これ、優秀。腕に当たる日光は遮断するしTシャツの袖から入ってくる風は妨げないから、走っている間は涼しくもある。夏場だからこそ長袖の方が絶対楽だよって周りの人達はみんな言うんだけど、僕はやっぱり半袖で走るのが好きだし気持ちいい。


さて、盆ツーリング最終日、行きますか。

最寄りのインターチェンジから東北道に乗って北進する。車の量はいつもより多く感じる。左車線も右車線も車列はずうっと連なっていてそれぞれの速さで流れているから車線変更もする必要がない。
流れの速い右車線をひたすら走る。路肩にバイクを停めて写真撮ったりは出来ないからこのエントリは写真少な目です。





最近、苦尽甘来という言葉が好きで。苦しい時期が過ぎ去って楽しい日々がやってくる、という意味で、読んで字の如しなそんな日がやってくるのを心待ちにしているのだけれど。
しかしインスタのプロフにこの言葉を入れたなら「人生の終わりを迎えた」とかいう翻訳をされて笑ってしまった。これ酷い訳だよね、変に誤解されてしまいそうなので違う言葉に置き換えておいた。

僕は「バイクの楽しさは100km走ってからが本当」って思っている。走り出してすぐは、乗る前の気分を引きずる。のみならず、操縦しかする事がないので、何なら乗りながら考え事をしてしまい悶々とする時もままある。そんな雑念が100kmを超えた辺りからなくなっていくのだ。
振動と風、地面から数十センチ浮きながら走る浮遊感によって感覚が麻痺するのかな、無心になって、走る事によって得られる楽しさだけを享受出来るようになる。それは本当に気持ち良くて、走り出す前に何かしらのネガティブな感情を持っていたとしてもそんなものは忘却の彼方、なのである。

この日はもっと早かったかな、高速に乗ってすぐに昨夜見たあまり面白くない夢の事など風に吹かれて飛んでいったし、前を走るクルマのテールランプや夏の空、追い越す左車線を走るクルマの色んな地域のナンバープレートなんかを眺めているうちに幸せな気分にすらなってきた。
正に苦尽甘来、苦しみを味わい尽くした後に甘い楽しみがやってくる。一日のうちにそんな経験が出来るのだからバイクはやはり楽しい。そのうちに平静な心にもなってきて、人間って時に怖いし難しいし世界はどんどん住みづらくなっていくけど、せめて僕の知っている奴らだけでも全員楽しく暮らせればいいな、幸せの欠片だけでも掴めればいいな、なんて気分にもなってくる。
これは最近真面目に考えていて、何故かと言えばそういう心持ちって最後には自分に返ってくるのだろうから。日々を楽しんでいる人と繋がり、悪いヴァイブスからは距離を取る。そして何より自分がいいヴァイブスを発する。
そう考えると一見複雑そうな世の中だけどやるべき事って意外とシンプルだよね。



そんな禅問答みたいな事を考えながら走り、福島県の安達太良SAで休憩。人が多過ぎて気持ちは休まらないが、せめて身体だけでも休めないと先に進めない。
このSAには展望台があって安達太良山を眺める事が出来る。高村光太郎が智恵子抄で書いた、安達太良山の上にある「ほんとの空」は写真のとおり雲の中だったけど、人混みの中にいるより景色を眺めていた方が気持ちが安まるね。



桃ソフトクリーム。旨かったー。




2度の事故渋滞をやり過ごし、宮城県の鶴巣SAで給油と2度目の休憩。しかしガソリン高いね、ハイオクは200円/L超えだよ(ハーレーはハイオク指定)。

ここまで来れば慣れた道だし交通量もだいぶ少なくなってきた。旅の間時折感じたひとり旅の寂しさも全く感じないくらい身体はいい感じに疲れていて、周りが家族連れだろうが今は気にならない。




最近、世界をひとりで旅をするTwitterアカウントを眺める事が多いんだけど、そんなプロの旅人のバックパッカー達も家族連れやカップルが多い場所には敢えて近付かないという話を目にしてなるほどって思った。里心が付いてしまうんだね。
仲間のひとり旅の達人、カレー屋よしくんと旅の話をしていた時、ひとりで人気のない山の中を歩いていて寂しさのあまり泣き出してしまった事があると話してくれた事があった。何でそんな思いをしてまで旅をするのかなって思うけど、考えればそれって普段の生活をしてても同じなんだよな、という事に思い至ってすごく腑に落ちた。自分はまだまだ旅が足りてないな、とも。

疲れ果てて何も考えられなくなるまで何かに没頭して、その上で欲しいと思う物事が本当に自分にとって必要なものなんだろう。実は僕の中ではもう答えは出ているんだけど、それを手にするまでもう少し旅を、楽しみながら満喫するのがいいのかなって今は考えている。




引き続き禅問答を続けていたら無事に盛岡に着いた。走りながら考えつく事は大概ポジティブで、ぜい肉が付いていなくてソリッドだ。3日間の総走行距離930km、いい旅だったな。10月くらいにまたひとりで旅してもいいな。







新しい学校のリーダーズも3日目。海外でも大人気で、外国での名前は「ATARASHII GAKKO!」。
彼女達は「アイドル」ではないよね。パフォーマー、アーティストなんだと思う。キャラも立っているしお喋りも出来るみたいだからテレビなんかに出る機会も増えるのかな。
今の世の中だからYouTube上にはスマホで撮った彼女たちの動画が山のようにあって(海外では撮影を禁じてないフェスもあるのね)、この曲のライブパフォーマンスとか息を呑むほど美しい。すっかり大ファンになってしまった。



彼女たちが自由に楽しそうにしている姿を見ているだけでこっちも楽しい気分になるんだよねえ。







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