家の工事も終わり、バイクも手元に戻ってきたのが先々週の話。よっしゃ走れるぜ、と思ったんだが先週末の天気は土日とも結構な雨。これはとてもバイクに乗れそうもない。
さて週末をどうやって過ごそう?そうだ前々からしてみたかった車中泊の旅をしよう。まだバイクで行くにはちょっと寒い下北半島に行こう。
そんな風にパッと決めて身の回りのものだけ持ってサッと出発したのが15日土曜日午前9時。旅の目的は、車中泊をしてみる(ステップワゴンではした事がなかった)、20数年ぶりに下北半島を訪れる、食い倒れる、まあこんなところでいいだろう。こうやって気軽に行動出来るのは一人暮らしの大きなメリットだね。
トリップメーターをゼロセットして、気ままなひとり旅に出発。ワクワクするね。
食い倒れの旅ゆえ、普段は食べない朝食も食べる。コンビニの焼きそばパン。しかし小さくなったなーコンビニパン。値段を上げずに店頭に並べるには大きさを変えるしかないんだろうね。
珍しくインスタのストーリーに写真を上げながらの旅だったんで、ここからは縦撮りが多いです。
急ぐ旅ではないので高速道路は使わず、国道4号線をゆっくりと北上する。4時間弱くらいで青森県三沢市に到着。
三沢にはアメリカ空軍の基地があるから、東北の他の街とは雰囲気が違う。基地の近くに行くと走っているクルマの半分くらいはYナンバーで、運転しているのは軍人や軍属のアメリカ人だ。
標識も英語。
事前に美味しそうなピザ屋があるのを調べていてそこに行こうと思ってたんだけど(アメリカ人に出すピザとか旨そうじゃない?)、歩いているとケバブ屋を発見。ピザは盛岡でも食べられるけどケバブはなかなか食べられない。なので予定を変更してケバブを食することに。
美味しかったな。異国情緒。
基地の入り口ゲート付近にあるこの店、店主はトルコ人っぽかったし、僕以外の客は全員外国人だった。軍服を着た軍人も当然いたけど、威圧感はあまり感じなかったな。空軍は軍隊の中でもエリートだからね、沖縄に駐留している海兵隊とは違うのだろう。夜に来たら気の利いたバーとかありそうな気もするね、一泊しても面白い街かも知れない。
三沢からだと太平洋側を北上した方が近いんだけど、行程の関係上いちど野辺地に出てそこから陸奥湾沿いを走る事に。下北道という自動車専用道路もあるみたいなんだけどここでも敢えて一般道を走る。
海が見えると気分が上がるのはいつもと一緒。20数年前の記憶によるとここから景色は一気に変わる。
これだよね。海と原野の間に通っている直線の道路。こんな景色は北東北では下北半島でしか見られない。
左に陸奥湾、右に人の手が入っていない原野を見ながら北上する。日常的に強い風が吹いているのか、背の高い樹木が少ない原野は独特の最果て感を醸し出している。これが三沢から十和田湖方面に行くと景色は見渡す限りのブナの原生林になる。更に西に行くと津軽に出て日本海にも面している。
青森、色々掘っても面白いかもねー。
今回の旅の下北半島だけど、野辺地を過ぎたあたりから最果て感がすごい。なんだろう?厳しい自然の中で、人間が自然に許してもらった範囲で暮らしているというか。いずれ、この土地を支配しているのは間違いなく人間ではなく自然だ。それは旅をしながらでも感じられたね。
色々示唆に富む場所だなあ。もっと暖かくなってFXRが旅仕様に仕上がったらバイクでも来よう。もっと天気のいい日にまた来てみたい。
さて着きました大間崎。本州最北端。
写真のとおり天気は終日曇り空。シーズンオフだからかまだ寒いからか分からないけど、観光客の姿もまばら。まだ開いていたお土産物屋でスルメを買ったんだけど、客は僕ひとり。なかなかにもの寂しい。
まあ青森市からも結構な距離があるし、マグロ漁の他にこれといった産業がある訳でもなし、僻地と言ってしまえばそれまでなのだろうけど、こういう土地に生まれて住み続けている人もいるんだよなあ。もしそれが自分だったとしたらどういう人生だったのだろう、などと考え出すと止まらなくなる。とりあえず町内にある温泉に浸かり旅の疲れを流す。
夕食はこの土地で獲れた本マグロを頂いた。美味しかったです。
岬の近くによく整備されたキャンプサイトがあって、そこで車中泊も出来る事は事前に調べておいた。確かに綺麗なサイトで清掃が行き届いた炊事場やトイレもある。
マットとシュラフを広げて寝る準備をしたあたりから風雨が強くなってきた。そして少し寒い。クルマの中でも息が白い。胸までシュラフにくるまりながらビールを飲む。
本を一冊も持ってこなかったのは失敗だったな、次は気分に合ったものを読めるように3冊くらい持ってこよう。
スマホ片手にビールを飲んでいるうちに風雨はどんどん強くなっていって、風でクルマが揺れるくらいの強さになった。こうなると雨も横殴りで、トイレに行くのにもいい感じで濡れる。車中なので不思議と心細さはないけれど、神経が昂っているのか眠くもならない。次の日もあるから灯りを消してシュラフに入ったけど熟睡は出来なかった。
朝は6時前に目が覚めた。タバコを吸うのも嫌になるくらい風雨が強いのは相変わらずで、キャンプサイトにいてもする事がないので早々に出発する。
写真のとおり海は大しけ。新潟にラビットを取りに行った時も海はしけていたなそう言えば。風で飛ばされてきた変なものを踏まないよう気をつけながら尻屋崎を目指す。
尻屋崎は下北半島の東側にある岬で、寒立馬(かんだちめ)と呼ばれる馬が放牧されている事で有名な場所。今回の旅の目的のひとつだったんだけど、天候のせいか時期が早いのか、放牧はされていず馬の姿を見る事は出来なかった。
めちゃくちゃ綺麗な場所だったけどね、いいさ夏にでも今度はバイクで来るよ。その時は天気がいいといいな。
八戸辺りまで下ってきたらようやく雨が止んだ。昼食の時間だけど朝に食べたパンの腹持ちが良くてお腹が空いていないのでそのまま家を目指す事に。三陸道で岩泉まで下ってそこから内陸に入り、14時くらいに帰宅。春の気ままなひとり旅は無事に終了。
走行距離746km、平均燃費13.7km/l。少し疲れたけどいい旅だった。また行こう。つか、これからの季節はバイクだね。今年は2.3回は泊ツーリングしたいな。
教授R.I.P.