FXR買いました

離婚自体は届けを出せばそれで成立するものだけど、そこに至るまでたくさんの話し合いをしなければならないという事を知った2022年。経験しなくて済むならそれに越した事はなかったけど、まあこればっかりは仕方ない。
そもそもコミュニケーション不全に陥っている人間関係でその複雑な話し合いをやらなければならないというのは本当に辛かったけど、自分の至らなかったところや子供たちの将来の事も考えて、条件面では僕としては最大限の譲歩をしたつもりだった。誠意を見せた、って奴だね。
まあそれでも揉めたんだけどね。

散々嫌な思いをした後、結果的には、僕は独り身の気楽さと幾ばくかのお金を手に入れてHeadsUpハウスで暮らし始めた。さて、この自由な時間と金、どーすっかな?現金で持っててもしょうがないし、少しでも楽しく有意義に使いたいよな。そうなりゃ答えはひとつ。自由の象徴、ハーレーダビッドソンを買おう。




そんな訳で買っちゃいました、’90年式FXR。
手元に来たのが11月の半ば過ぎで、季節的にもう乗れなくなる一歩手前だったから300kmくらいしか走ってないけど、最高っすこれ。マジで。




買ったのは東京のとある有名店。昔、地元仙台で営業してて、10年前に東京に移転したんだよね。僕はこのショップが造る男くさいバイクが大好きで、密かにずっとフォローしてた。
で、そのショップがインスタにどえらくカッコいいFXRPを上げて、僕はそれに一目惚れしたんですね。売り物とも何も触れられていなかったんだけど。




こいつ。今見ても超カッコいい。
実は一度、ハーレーの購入には失敗をしていて。行動力と勇気のなさで。同じ失敗と後悔を2回もしたくなかったから、ハーレーの世界では知らない人がいない有名ショップに電凸ですよ。「おさむさん(ショップオーナー)、インスタに上げてたFXRP、めっちゃ気に入ったんです、売ってもらえませんか?」って。緊張したけど、ありったけの熱意をぶつけて話したら「売り物じゃないんだけど、そんなに言うなら売ってもいいよ」って言ってもらえた。マジっすか、じゃあ週末に見に行きます、って言って東京まで新幹線でびゅーん。




結果的にはその恋は成就しなかったんだけどね。
跨ってみたらめちゃくちゃ重くって。おさむさん曰く、Pカウルだけでも10kgあるらしく。しかもヒョロ体型の僕にはちょっとゴツ過ぎたし、車体が全身から発するワルいオーラにも負けそうだった。そう、少し気後れしちゃったんです。

それを見ていたのか、おさむさんが「数日後にもう一台FXRが入庫するんだけど、それ来たら金額出すからそれから決めてもいいよ、それまでキープしておくから」って言ってくれて。
ちなみにFXRPの「P」はPoliceのP。これ元白バイなんです。




小一時間おさむさんと雑談してきたんだけど、めっちゃカッコいい人だったなあ。業界では知らない人はいないビッグネーム、バイクはもちろん、クルマや音楽のセンスも最高なんだけど気取ったところが全然ない人で。
話をしている最中「ごめん、洗濯機止まったからちょっとTシャツ干すね」と、東京に出ていって10年経つのに全く抜けない仙台弁で話し、店の前に停めてあるハーレーに無造作に掛け出したのには笑ってしまった。

おさむさん、大事に乗ります。その節はありがとうございました。




さて、購入に至るまでの物語は終わり。僕の新しい仲間、’90年式FXRについて書く。
正直季節が季節なので全然乗れていないんだけど、それでも300kmちょっとは走った。感想は、最&高。ハーレーってこんなに脈動感があるエンジンなんだ、こりゃ売れるの分かる。
年式が’90年なので、エンジンはいわゆる「エヴォリューション」。現行型よりもひと世代前のエンジンだね。燃料供給は当然キャブレーションで、S&SのEキャブが付いている。
3点支持のラバーでフレームにマウントされるエンジンは適度な鼓動を残しつつ振動を逃がしている。高周波の振動はSRの方が多いくらいだ。これは長距離でも疲れないだろう。1340ccのエンジンにはしっかりと個性はあるが、それが走りの妨げにならない。車重の重さも走り出してしまえば苦にならないし、むしろロングライドではそれがいい方向に寄与する(安定性)んじゃないだろうか。




ブレーキはトリプルディスク、キャリパーはツインカム(高年式)の4ポッドに換えられている。僕がこいつを気に入った部分のひとつ。
FXRは「走ってナンボ」のバイクだから。こういう控えめなカスタムは似合ってるよね。




マフラーは日本製のものが付いていた。三重のマルマス・モーターサイクル製のステンレス管。ルックスも音量も僕好み。あまりうるさくない。
これ新品で買うと20万以上するみたい。アメリカ製のバイクに似合うスーパートラップに換えるのもアリだけど、まあそれはおいおい。




賛否が分かれそうなルックスだけど、僕は気に入っている。全身に入ったフレイムスは一見派手だけど、走ってる姿は悪くない。道ですれ違うのは一瞬だし、バイクなんてこのくらいイキがってる方がいいのだ。
フレイムスにも種類があって、こいつのは「正統派」だね。クラブスタイルにも合っていると思う。




ハンドル周りはライザーにMXバー。ポジションには無理がなく運転しやすい。
スロットルをガパ開けすると1340ccのエンジンは猛然と重い車体を前に進めるのだけど、このポジションと後ろ方向に押さえが効くシートのおかげで怖さは全くない。ニーグリップも要らない。これは意外だった。
チョッパーデイブがキャスティングしたというショップ名が入ったハンドルクランプがイカす。運転中いつも目に入る場所だしね。




最後にこのFXRというバイクと「クラブスタイル」について。
FXRはショベルヘッド時代末期からある車種なのかな、ハーレーのビッグツインを積んでいるバイクの中で一番小さくて軽い。それ故、アメリカのモーターサイクルクラブ(以下MC)の連中に愛されたバイクらしい。走りがいいからね。そのMCのメンバーが乗っていそうなバイクという事でここ数年認知されてきたスタイルなんだな。
MCというと、ヘルスエンジェルス等モーターサイクルギャングのイメージがあるけど、実は彼らは走ることに関しては滅茶苦茶ストイックで、年間20.000マイル(約32.000km)を普通に走ってしまうのだとか。他にも例えばバイクが壊れたら24時間以内に走れる状態にしなければならない等の厳しいルールがあるらしく、走り屋としては超一流であるんだって。カッコいいよね。

僕はせいぜい年間5.000kmくらいしか走らないから全然だけど、来春が来るのが本当に楽しみだ。
ただ、旅をするために買ったバイクなんだけど現状荷物が全く積めない状態。これは何とかせねば。世話になる予定のバイク屋さんには挨拶をしてきてあるので、冬の間に相談しに行こう。




行くぜ旅!待ってろ日本!!




納車されてすぐ、天気のいい日にサンダンスみずもっさんに見せに行ったらインスタに上げてくれました。














Submit comment

Allowed HTML tags: <a href="http://google.com">google</a> <strong>bold</strong> <em>emphasized</em> <code>code</code> <blockquote>
quote
</blockquote>

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください