エンジンオイルで悩む

僕のゴト車のヴェルファイア。エンジンオイルは5000km毎に交換している。
入れるオイルは、20lのペール缶で8000円ちょっとで買える5w-20の安価な全合成油(規格はSN/GF5)。安いオイルをマメに交換する事で少しでもエンジンの各部の消耗を抑えようという考えでこのペースで交換してきた。
聞けば周りの仲間も大体こんな感じでオイル交換していて、ちょっとマメな人は僕の様に距離で、ちょっとズボラな人は月イチで交換(大体4〜5000km毎になる)という管理方法で愛車のエンジンを保護している。

この方法のエンジンの保護効果は実証済みで、30万km走っている先輩の21クラウンのエンジンの音は本当に静かで、まるで新車と変わらないくらい、というのは言い過ぎだが、ルルルルルーってな感じで嫌なメカノイズは全く無く静かにアイドリングをする。
165000km走った僕のヴェルファイアも、エンジンが完全に暖まったあとは不快な音は一切出さずに回る。オイル喰いも無いし、もちろんメタルを打つような音も一切出ない。

オイル交換のサイクルもだけど、これはひとえにエンジンの回し方が、エンジンにとって非常に理想的な状態だからなのかな、と考えている。
一度エンジンを掛ければ目的地まで高速道路や郊外の一般道を一定の速度で適度な負荷を掛けながら走る。エンジンの回転数は1500rpmから2500rpmくらいで、ミッションもCVTなもんで3000rpm以上の高回転まで回す事はほとんど無い。そういう走り方が走行距離の95%だ。また、トップギア状態で走る事が多いから走行距離に対するエンジンの総回転数も少ないだろう。
一本走るのに2時間だから、結露でケース内に溜まる水分も毎回完全に蒸発する。僕の場合は出先での待機中はほぼエンジンを停めているので無駄にアイドリングさせる事もない。ケース内に滞留するブローバイも少ないだろう。




結果、5000km走ってもエンジンオイルは全然汚れないんだよね(画像参照)。市街地ばかり走行しているクルマのオイルの汚れ具合とは全く違う。普通のクルマは5000kmも走ればオイルは真っ黒に汚れるからね。

ここでふと考えたんです。オイルの交換サイクルをもっと伸ばしてもいいんじゃね?と。

最近はメーカー指定のクルマのオイル交換のスパンは長くなっている。エンジンオイルも当然原油から出来ている訳で、それを長く使える様にするのがエコロジーの観点からも求められているのだろう、欧州では出来るだけ長く使えるオイルを開発する様に、と政府がメーカーにお達しを出したなどというニュースをだいぶ前に見た記憶もある(どこの国かは忘れちゃったけど)。

まあ僕はそんなにエコロジー精神で考えてる訳でもないんだけど、一月とちょっとでオイル交換の作業をするのもちょっとめんどくさいというのもあり、もしかしたらこれは結構な過剰整備なんじゃね??と考えたのもあり。スパンを伸ばせるものなら伸ばした方が色々メリットが大きいな、と思ったんです。



いい状態でエンジンを回している、というのは上記の通り、でもマメなオイル交換で抑えられていた(のかも知れない)エンジンの消耗はこれまで通りに抑えたい。その為にはコスト面も当然勘案しながら出来るだけいいオイルを選ばなきゃな、よしちょっと調べてみるか、というのがこのエントリの趣旨です。長い前置きでスミマセン。









エンジンオイルは二つの規格によって性能が公にされている事は多少オイルについて興味がある人なら知っていると思う。API(米国石油協会)の規格がSNとかSPといった記号で、ILSAC(国際潤滑油標準化認証委員会)の規格がGF5やGF6といった記号で表されている。API規格はNとかPといったアルファベットがあとになるほど、ILSAC規格は数字が大きくなるほど高性能なものだと把握しておけばとりあえずいいと思う。2021年3月現在ではSP、GF6がそれぞれの最高規格だ。これは割と分かりやすい。

その他に、オイルはAPIによって、5段階のグループに分類されている。この話が少しややこしいのだ。
この分類は「ベースオイル」と呼ばれるエンジンオイルの精製方法を分けたもので、それを基に製品としてのエンジンオイルは「鉱物油」「全合成油」「化学合成油」などと分類されて売られている。
これ、ちょっと調べるとすぐにヒットするんだけど、30年くらい前にアメリカのオイルメーカー間である訴訟があって、その判決により、精製方法上本来は鉱物油であるはずのものを合成油と表記してもいい事になったらしいのだ。
この5段階のグループを表記して売ってもらえればユーザーもそれほど混乱はしないのだけど、これ、商品の容器やメーカーのWebやカタログにも書かれていない。だったらあやふやな表記をせずに二つの規格だけ書いてくれればいいのに、とも思うが、そこはメーカーの売りでもあるのだろう、ユーザーにとってはちょっとめんどくさい状況になっている。

具体的に言うと、APIの分類のグループ3とグループ4、5の区別をユーザーがし辛くなっている、という事になる。本来なら鉱物油と表記するべきオイルが合成油、化学合成油などと表記されていて、かなり調べないと自分が買おうとしているオイルがどの分類のものか分からない状態になっているのだ。




僕的に15000kmを無交換で走れるオイルは、数日間かけてゆっくり調べた。結果的にはトップ画や上のAmazonのリンクの通りのMobil1の0w-20をチョイスした。規格はSP/GF6。
このオイル、どうやらAPIのベースオイル区分上はグループ3(鉱物油)に該当するものの様なんだけど、恐らく性能的には全く問題がないし、トヨタ純正オイル(SP/GF6、これも恐らくグループ3)よりも性能がいいと踏んだ。純正にしなかったのはサムシングを期待したから。値段は純正よりもちょっと高かったんだけど。根拠は、直感。
交換後は今まで使っていた格安全合成油(これもグループ3だなきっと)よりもエンジンのメカノイズが減って回り方がジェントルになった。

ベースオイルがグループ4、本来の意味での化学合成油にしなかったのは、オイル交換の時期までに探し切れなかったのと、区分上現在の最高グレードのオイルだから性能的に問題は無いだろう、という判断から。ちなみにMobil1は、粘度10w-40だけはグループ4の正味の化学合成油で、日産GT-Rの純正指定オイルにもなっている由。それも選択理由のひとつになった。




Mobil1を買って交換した後に見つけたんだけど、このENEOSのX Primeってオイルはどうやらベースオイルはグループ4、正味の化学合成油「っぽい」。ソースはメーカーのWebで、そこに「一般的に化学合成油は、ナフサと呼ばれる原料を化学的に合成させ云々」の記述があるから。ナフサという原料は、API分類のグループ4基油の原材料として明記されている。
Mobil1で様子を見て、次の交換時はこれを入れてみようかと思っている。そしてプラシーボ効果以外の何かが見つからなかったらトヨタ純正をペール缶で買おうかな、と。評判いいけどねこのX Primeってオイル。

なかなか歯切れの悪い書き方しか出来ないのは、やはりメーカーが精製方法の分類を明記しないから。大元が明らかにしないカードに対して末端のユーザーが生半可な知識でBet出来ないでしょう。メーカーに直接問い合わせる猛者もいるみたいだけど、それは掘りたい人が掘ればいい穴なのかな、と。そういう理由からAPIが示している分類の一覧表も敢えてここでは表さなかった。




この手の話題に興味のある方は、酒でも飲みながら時間かけて自分で調べてみるの面白いと思いますよ。なかなかに深い沼です、オイル沼。






Submit comment

Allowed HTML tags: <a href="http://google.com">google</a> <strong>bold</strong> <em>emphasized</em> <code>code</code> <blockquote>
quote
</blockquote>

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください