
僕の大好きなミュージシャン。
コロナ禍で時間が出来、56歳にしてバイクの免許を取得。それと同時にハーレーダビッドソンを購入したのが2ヶ月前。
なんと、仙台の野外フリーライブイベントに関東からバイクで走ってきて演奏する、という話を聞いたのが先週の金曜日。その距離ざっと430km。
免許を取って乗り始めてから2ヶ月しか経ってないんだよ、それでも2000kmくらいは走ったらしいけどさ、それにしてもなんという行動力、なんという情熱。端的に言ってアホである(滅茶苦茶褒めてます)。
実は。
縁あって、そのミュージシャン氏(以下Hさんと記す)がこのblogを読んでくれて、で、内容についていたく気に入ってくれたみたいで。ありがたい事です。
はじめはblogにコメントをくれて、その後メールで数回やり取りをしてて。で、31日に仙台にバイクで行こうと思ってる、って話は聞いていたのね、でもまさかライブ演奏をするためにバイクで来るとはつゆ知らず、てっきり仙台にいる友達でも尋ねに来るんだろうなあくらいに思ってた。
全然違うからね、ただ遊びでバイクに乗るのと、仕事絡みの移動にバイクを使うのは(Hさんにとっては演奏は仕事でもあるわけだから)。いい仕事をするためには身体のコンディションを大切にしなきゃならない事くらい僕にだって分かる。で、その熱意というか情熱というかにものすごく心を打たれたんですよ、僕。
時節柄だと思うけど、告知はインスタでのみ。Hさんののblogでは一切触れられてなかった。そのインスタ投稿を見た瞬間に「これはオレもバイクで、ステージを観に行かなきゃならねえな」って決めた。
訳わからないくらい強い情熱にはこちらも情熱でもって返すのが礼儀でしょ。いや、別に誘われた訳じゃなかったんだけど。

フリーとはいえ複数のアーティストが演奏するライブイベント、Hさんの出番はメンツから言ってトリなのは確実。夕方の冷え込みの中高速代払って日帰りする?いやー今安いだろうし泊まった方がいいよねーってホテル探したら本当に安くて一白1500円とかなのね、びっくり。速攻予約して、土曜の9時に情熱ツーリングスタート。
12時にスタートのライブだったので、まあ余裕を持って3時間取った。
移動は東北道を使った。久しぶりの盛岡以南の高速は、まあ快適。制限速度のプラスααくらいのペースで快適に飛ばす。
天気も良かったし気温も比較的高かったんだけど、そこは晩秋の北東北、やっぱり身体は冷える。適度に厚着してきたけど、やっぱりバイクは気持ちいいだけじゃないね。そこがいいんだけど。

でも流石にそのペースだと油温は上がるね、約90°くらいになる。動力性能的にはまだ余裕があるんだけど、やはりここがボトルネックになるなー。
高速を使ってガンガン移動する使い方をするにはやはりオイルクーラーかなあ。もしくはそれ用のバイクを買うか。
ワコーズのトリプルRは温度が下がるのが早いから、今の季節はそこまでストレスじゃないけどね。
そうそう、キャブ をTMRにしてから初めてこのペースで高速走ったけど、燃費ガタ落ちだったな、リザーブに入るまで160kmだった(普段は230kmくらい走る)。盛岡=仙台間を無給油で走れない、って事。
え、ゆっくり走ればいいんじゃない?って??そのオチはちょっと嫌だなあ。

さて、会場の勾当台公園に無事到着すると、そこにはHさんのハーレーが停まってた。その隣にいそいそと停める。
道中、インスタでDMもらってたのもあって、僕のSRの音を聞いてHさんが来てくれた。
どうもどうも、ヨコチンです、おーよく来てくれたね、なんて言葉を交わしながら観客用のベンチに二人で座る。過去に奥州のライブハウスでもこういうシチュエイションあったけど、オンラインでのやり取りがあったせいかその時ほどは緊張しなかった。
僕は、Hさんは日本で一番「孤高」という言葉が似合う人だと思っている。そういう風情や楽曲が大好きで、30年間ファンであり続けた人だ。
でも当然それは僕だけのものではなく、結局ほぼ半日、付き人みたいに側にいたんだけど、引きっきりなしに緊張したファンがサインを求めに来たり、仕事絡みの方が挨拶に来たり、初対面の共演者が挨拶に来たりしていた。
そういうのに偉ぶる事なく自然体で接する人だって事は知っているつもりだったけど、改めて目の当たりにするとすごい事だよね。これは仙台って東北のひとつの街での出来事で、こういう関係性を全国各地に持っているって事だからね。
孤高であるって事は、物理的な問題じゃないんだな、って学んだ。それはきっと精神の問題なんだ。

反面Hさんは普段はめちゃくちゃお茶目で、前のベンチに座っている旧知のファンのケツポケからスマホをこっそり抜き取ろうとしては失敗し、ああ、俺はスリにはなれないなあ、なんてひとりごち、かと思えば、俺のメット見る?俺のギター見る?なんて言葉のボールをポンポン投げかけてくる。
え、ギター見たいっす、今日何持ってきたんですか?え、VINCENTだよ、っていうかヨコチン君はギター弾くの?あー少しだけ、でも2年くらい弾いてないっすねー、なんて他愛もない会話を延々としてた。ステージに立つ直前まで。
流石に、あのー、コンセントレーションとか要らないんですか??と聞けば、作為じゃないから、と即答された。こうやって会話するのとか、歩くのとか、いちいち考えないでしょ?俺にとって演奏はそれと同じなんだよね、って。
こちとら素人なんで、ふーん、って話聞くしかないんだけど、実際満場の拍手を受けてステージに立てばワールドクラスのギタープレイをぶちかます。動画を上げるような野暮はしないけど、本当にすごいパフォーマンスなんだ。ぐええ、と唸るしかない。
まあ僕も普通に踊りながらステージを楽しんだけどね。

後で聞けば、会場にバイクを持ってきたのは理由があったみたい。冒頭に書いた、僕が感じたアホウとも言える情熱をオーディエンスに感じて欲しかったって後で言ってた。
終演後はこのバイクの周りにはスマホを持った聴衆で人だかりができていた。バイク好きとしては、この中でひとりでもいいから乗り始める人がいればいいな、って思った。

Hさんに打ち上げに誘ってもらった。え、オレなんかが行っていいんですか?と言えば、もちろんだよ、と。お言葉に甘え同席させて頂くことに。
このテーブル、あえて写してないけど、僕以外全員出演したパフォーマーだからね、流石にやべえなって思って余計な事話さないようにしてたけど、緊張する事この上なし。
でもいい感じに酔いの回ったHさんが、ヨコチンは本当にいい文章を書く、って言ってくれて。素直に嬉しかったから、ありがとうございます、1万人に一人くらいだと思うけど、そう言ってくれる人がいるんですよね、と返したなら、その多少の謙遜を否定せずに、そうだと思う、と。ああ、やはり1万人に一人なのか。。
更に、そのマインドであの盛岡という街で暮らしているならそれはきっとマイノリティだよね、と。辛い事もあるかも知れないけど、それでもあのblogは絶対に誰かの役に立つから是非あのまま書き続けて欲しい、って言われた。きっといつかはヨコチンの子供達も読むと思うし、誰かの助けになるだろうし、なんなら俺もインスピレーションもらってるから、まで言ってもらえた。
ふー。そんな事言われて書き続けないわけにいかないよね。

Hさんは、2次会終了に至るまで、ずっと誰かにバトンを渡そうとしてた。その日だけでそのバトンを受け取った人は何人もいたと思う、僕を含めて、ね。
飲みながら、自分が気になる若いミュージシャンを相手に延々話ししてた。
でもHさん、わざとだと思うんだけど、手取り足取り教える、って感じじゃないんだよね、ずっと見てたけど。肝心な事ははっきり言わないの。
大事な事は自分で考えて、自分で道を切り拓け、という意味の余白なんだろうなああれ。多分だけど。
確かにそういう作業なきゃ、誰も自分自身にすらなれないよね。
日付が変わった頃に会はお開きになり、Hさんをはじめその日知り合った方達と再開を約束して別れる。楽しい一日でした。

帰路は、時間もあるし、海沿いの国道45号線をのんびり帰る事に。このルートだと自宅まで大体300kmくらい。そんなに寒くもないし丁度いい距離だ。

このルート、北上川沿いを走る津山町の辺りが気持ちいいんだよな、高速を走っている時は少し物足りない車格やエンジンパワーもこういう田舎道をトコトコ走っている時は丁度よく、本当にいつまでも走っていたくなる。

遅めの昼食は、陸前高田の名店のひとつ、熊谷のラーメン。震災後初めて来た。

坦々麺が有名なお店。飲み過ぎて足りなくなった塩分を補給するのに丁度いい塩加減。旨かった。
時節柄逡巡していた泊ツーリングに情熱という名の勢いで出られたのは良かったけど、そこはやはり時節柄、勢いにまかせて有無を言わせず弾丸の様に家を飛び出したダメオヤジは帰宅後娘にこっぴどく叱られた。仕方なく家の中でもマスク着用、昨日から家庭内隔離生活です。とほほ。
ステージのラストは、演者を全員ステージに上げてのこの曲でした。聴いたことある人も多いんじゃないかな。
あれ、満月の夕でHさんって事は…Yさんつーことですか?!
おー、大好きなバンドの一つです!
shivatakさん、こんばんわ。
そうです、HWのH.Y.さんです、夢みたいな現実です。
shivatakさんは1万人の一人ですね、きっと。今後ともよろしくお願いします。
よこちん、娘ちゃんに怒られたのね。きゃはは。でも、切ないのう。コロナがあけたら岩手の道つれてってね。おじさんを岩手に連れてって。runnning on empty!
めっちゃ怒られました、つか、いまだにマトモに口聞いてくれません。笑
つかコロナマジでうざい、、せめてもっと自由にPCR検査受けられる様になればいいのに、、
岩手路はホント最高なんで是非来てください!いっぱい走っていっぱい飲みましょう!