日々 2018年10月

 

先日、県南の街で好きなミュージシャンのライブがあって。電車で1時間かけてその街まで行ってきた。
東北本線なんて久しぶりに乗るから事情よく分かってなかったんだけど、盛岡から会場がある奥州市まで行く電車、2時間に1本くらいしか走ってないのね、なので17時30分オープンのライブだったんだけど水沢駅に降り立ったのが16時。時間もあるし、ライブ前に腹ごしらえするべえと駅を出た僕は愕然とした。

 

開いている店が無い。

 

チェーン店の居酒屋がその時間にもう営業を始めてて、でもその他にものを食べられそうな店は一件も無くて。というか、駅前の商店街とか8割がたの店はシャッターを降ろしている。駅前にはパチンコ屋はおろかコンビニすらない。

 

小さいとはいえひとつの市の駅前にだよ?なんなんだこれは。

 

奥州市(昔の水沢市ね)に来たのなんて10年以上ぶりだけど、ここまで寂れてた記憶はない。いや、東北で一番栄えている仙台だって郊外化が進んではいるし、奥州だって国道のバイパス沿いにはそれなりに店舗や人通りはあるけど。でもこりゃまるっきり廃墟じゃないか。
10年前だって栄えていた訳ではなかったけど、その10年の間に過疎化がさらに進み、街は疲弊していったという事なのだろう。

 

ライブ会場までの5分くらいの道のりを歩きながらも気分はどんどん落ちてゆく。さっき8割って書いたけど、商店街をずうっと歩いてみたら9割以上の店舗のシャッターが降りていた。休日の夕方なのに人も全然歩いていない。
会場の場所を確認し、それでも開演まで時間はたっぷりあったから、ようやく見つけたコンビニでチキンを買って食べ、その時には既に気分はかなりやさぐれていたので迷う事なくビールを飲む。夕暮れ時の寂れた街の外れにあるコンビニの前でひとりでビールを飲みながら感じる寂寥感は相当なものだった。せっかく楽しみにしていたライブの前なのになあ。

 

僕の精神状態のせいでそう感じたのではないと思うけど、ステージはちょっと荒れた手触りだった。氏のアコースティック・ソロを観たのは21年?22年?振りだけど、そのステージで頭をガツンとやられて、その時以来のファンで。だから今回のライブもものすごく楽しみにしていたんだよね。
演奏は素晴らしかったよ。ギタープレイも神がかっていた。でも心の底から楽しめなかったのは何故なのか、本当の理由が何だったのかは僕にも未だに分からない。

 

氏には会場のキャパが、色んな意味で小さすぎたのかな、という気はした。観客も20人居なかったらしいし。まあこの小ささのおかげで、憧れのミュージシャンとひと言ふた事言葉を交わすことも出来たんだけど。
次、機会があるとしたら、当初の予定通り仙台か弘前で観たいなあ。

 

 

 

少し体重が減った。ぐへへ。
Max時から3kg減。あと2ヶ月で-2kgいけんじゃね?そしたら目標達成なんじゃね?とか一瞬思ったが、ここ10日ばかり体重は一進一退。
まあこればかりはやれる事をコツコツと続けるしかないんでね、雪が降りだす12月まで、食事に気を遣い適度な運動を続けようかなと思ってます。

 

 

で、今日はSRをいじる。今月ショップのツーリングがあるんだよね、その準備を兼ねて。
外していたセンタースタンドを付けた。余裕かな、と思ってツナギも着ないで作業始めたけど失敗だった。結構難儀して、部屋着のジャージはすっかり汚れた。

 

バッテリープレートも取り付ける。この部分、DIY的に自作部品で組んでいたんだけど、不安なく長距離を走るための準備として市販品を手に入れておいたのだ。
振動も多いバイクなんでね。

 

これで長距離も安心。今年は正直500kmくらいしか乗ってないけど、来年は泊りがけのツーリングに行くぞ。

 

リアフェンダーの前部にひっそりとショップのステッカーも貼り…

 

小雨が降っていたのでカーポートの下で久しぶりにエンジンをかける。やっぱりセンタースタンドあると整備はラクだな、空気圧点検も楽チン。
さて、ツーリングの日は晴れますように。

 

 

 

 

目に見えるものだけを
信じてはいけないよ
人生の岐路に立つ標識は
在りゃせぬ

どんな事をして誰といても
この身はあなたと共にある
一人で歩まねばならぬ道でも
あなたの声が聞こえる

It’s a lonely road
You are every song
これは事実

宇多田ヒカル「道」 作詩・作曲 宇多田ヒカル

 

この人がデビューした時のことは良く覚えていて。本当に凄かったんだよ、当時はまだシーンを俯瞰するような聴き方をしていたから分かったんだけど、「女性シンガー」って属性が主な売りだった方々(失礼な言い方だけど)の魅力が一瞬にして消え去るくらいの破壊力だったんだ。
メディアの煽りも凄くてね、どこを見ても天才少女現る、の文字一色で。僕は当時まだ屈折したロック青年で、素直にいいと言えなくて、それでもしっかりCDは買ったもんなあ。実際よく聴いてもいた。

当時読んでいた「噂の眞相」という雑誌に、三田格さんというライターが「今月のRockin’ Off」とかいうフザケたコラムを書いていて。その月にリリースされた音楽を3行くらいの短文で小馬鹿にした調子でこき下ろす体のコラムだったんだけど、彼女の1st.アルバムが出た時、氏は「16歳の少女がこんな音楽を作るということの理由をもう少し良く考えた方がいい」といった趣旨の文章を書いた。
そのコラムでそんな真面目な文章を見たのは後にも先にもその時きりだったから、妙に心に引っかかってずっと覚えていた。

彼女のお母さんが亡くなった際に彼女がオフィシャルで出したコメントを読んだ時に真っ先に思い出したのは、件のコラムの一文だった。少なからずのショックを受けたし、その時、何かを表す時に天才(的)という言葉は金輪際使わないと決めた。
そして、この曲。”You are every song / これは事実”って歌ってるからね。そのまんま。

確かに才能のある方なんだろう。色んな想いがあるのは誰だって想像できるだろう、ましてや感受性が常人の比じゃないくらい強い方だ。一面にはどんなネガティブな感情があっただろう事は考えるだけで僕なんかは言葉が出なくなる。
それを、こんなに平易な言葉で、しかも聴き手に想像する余地を残した形で完璧なポップソングにする事ができるのだから。

 

そういやこないだ新しいアルバム出たんだよなあ。聴いてみようかな。

 

 

 

 

 

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