Vespa ET-3 Primaveraのこと

今日の盛岡は昨晩降った雪が結構積もった様で、起きてみたらこの雪だった。初雪は11月中に降ってはいたんだけどここまで積もるのは今季初。もうすっかり冬だね。
絶妙なタイミングでタイヤ交換したなあと思いつつ風邪気味で寒い中作業したモンだからすっかり風邪をこじらせてしまって、病院から頂いた抗生剤のお世話になっている。薬のおかげで熱は下がったけど咳がひどい。げほげほ。週末に仕事を休んで家族を連れて実家の父親を見舞おうかと思っていたけれどこりゃ延期だな、春に高校受験を控えている息子や病人に風邪うつす訳には行かないからね。
しかし仕事も忙しい時期に下手打っちまったモンです、げほげほ。

なので今日は暖かい部屋の中でまったり文章打ち。まだちゃんと書いてなかったね、愛車の一台、ベスパET-3プリマベラについて書きます。

 

この錆びたスクーターが僕のところにやってきたのは10年と少し前、この街に引っ越してきた時。通勤のアシに使おうかと思ってヤフオクで買ったのだった。
今はそれなりにいい値段で取引されているET-3だけど、当時はまだそれほど高くなく、ましてやこの錆び具合なので今では考えられないくらい安価で入手出来た。調子の良くなかったエンジンや滑っていたクラッチその他諸々を当時まだ営業していた仙台のベスパ専門店で整備してもらって、それ以来大した故障もなく約10年間、6,000kmくらいかな、小さい盛岡の街をビィーンと走り回った。
当時の僕は人生で最高潮にやさぐれていて(色々あったんです)、肩まで伸びたくせ毛の長髪をなびかせ、粋がった格好をしてゴツゴツとエンジニアブーツの踵を鳴らしながら街中を闊歩していた。だからこの錆びたボディがかえってお気に入りだった。ベスパといえばモッズの人達に好まれた乗り物だけど、ああいう風に小綺麗な乗り方は(それはまあ今もってだけど)出来なかったしね。
自分で言うのもあれだけど、結構似合ってたと思うよ、このベスパ。当時の僕には。10年後もこのままの雰囲気で乗りこなしていたいとも思うし。

郊外の緑の景色より禍々しい盛り場の方が似合うのもいい感じ。

 

ベスパの楽しさって何?と聞かれたら、左手でするシフトチェンジの楽しさとハンドリングの軽さだね、と答えるだろう。それは本当に楽しくて、今でも走りながら「あー気持ちいい」と常に思っている。これはおそらくベスパでしか味わえない楽しさで(ランブレッタもラビットも運転したことないけど)。僕なんかの筆力じゃ表しきれないくらい。
あと、旧い乗り物なんだけど部品の供給が潤沢だという事と、未だにチューニングパーツが開発され続けていると言う事も楽しみながら乗り続けていく上では大事な要素だろうか。これは昔乗っていた空冷のフォルクスワーゲン(いわゆる「カブトムシ」という奴です)にも通じるところがあるんだけど。というか、僕としては楽しみ方のツボはワーゲンとほぼ一緒。自分で触れる部分が多いというところも。車体も部品もワーゲンより安いからちょっと頑張れば増車も出来ちゃうという意味ではむしろ危険だったり。
それらが所有者にもたらしてくれる、夢、と言ったら大げさだけど、愉しみはなかなかに計り知れない。わかる人はすごく良くわかってくれると思うんだけど。

 

メインバイクのヤマハSR500に関しては、僕はある程度以上は自分でいじるのをやめた。家の近くに信頼できるSR専門店があるから。何度も色々話をしたし作業も見た結果、お金と敬意を払ってそのスキルをしっかり享受したいと思ったんだよね。住んでいる場所から30分のところに東北唯一の専門店があるというのも考えてみれば幸運な事だし。
反面、自分の手を汚して機械をいじるという事には消極的になっていたんだけど、このベスパの面倒はある程度までは自分で見る、と決めてからはまた昔みたいに工具を持つのが楽しくなった。こう考えるとベスパを修理出来るプロが周りに皆無、という状況もこうなって見ると僕にとっては逆にラッキーだったのかも知れない。一昨日作業したクラウンの修理だって、春にベスパを復活させていなかったら、そして夏にお不動様にならなかったら多分やっていなかったと思うし。
つか四十にして惑わず、とか言ったの誰だよ?ブレブレにブレまくりながら学生の頃のメンタルに戻りつつあるぞ僕。おかげで今は咳が辛いけど。げほげほ。

 

というわけで、時間を見つけてこのスクーターについてあれこれ調べる毎日です。趣味人として、だけど、ここ数年芯がなかった気が自分でもしてたんだけど、がっつり太い芯が出来た気がしてワクワクしています。不惑とか僕にはきっと無理なんだ、こうやって死ぬまでそわそわし続けるのだろう。
いや、ちゃんと働いてしっかり生活して、っていうのだって立派で大事な芯だと思うけど、僕から趣味を取ったら何も残らないからね。

 

 

10年前も 10年先も おんなじ真青な空を行くよ
yeah 僕はグライダー

 

 

 

 

 

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4 comments on “Vespa ET-3 Primaveraのこと

  1. Turn-X

    こちらもだいぶ風邪がはやりだしているようですが、そちらもだいぶ寒くなっているようですのでお大事になさってください。
    しかし、ベスパをはじめとしてここ最近のバイクの減りっぷりはいったい何なんでしょうね。
    下地は昔からいろいろあったにせよ、とどめを刺したのは都会の駐禁取り締まりではないかと個人的には思っているんですけど。
    ストリート系のバイク雑誌もほとんどなくなったから、本にベスパが取り上げられる事もほとんどなくなりましたし。
    自分のV50もずいぶん長い間ほったらかしになっていて、正直動かすのはあきらめていたんですけど、自転車関係への投資が一段落ついたら来年あたりバイク屋丸投げ計画を練ろうかなと思っています。
    本当は今年台風で家が壊れなければかなりやる気になっていたんですけどね・・・。
    来年は大事ない事を祈るばかりです。

    • ヨコチン Post author

      風邪はホント下手打った、仕事も繁忙期で休めないし、息子は受験生だし、自己管理なってないね。
      オヤジライダー(含オレ)は増えてるらしいけどね〜、昔ならトラッカー、最近だとビッグスクーターなんかをアシ代わりに使う若者が減ったんだとしたら君の言う通りなのかもね。
      ハンドチェンジのベスパは完全に好き者の乗り物になったね。ショップも減ったから環境的に乗りたくても乗れない人も多いみたいだけど。もし近所に専門店があるのだとしたらそれはラッキーなのかもよ。
      ただ、不動のV50をプロ任せで走れるようにするの、コストはかかりそうだけどな、エンジン側の配線引き直し、クラッチ交換、キャブOHで取りあえず動くようにはなるだろうけど、そこからスタートだからな〜。とにかく遅いんだよV50は。まあ走れるようにだけしてもらって75ccとピナスコ一次ギアは自分で組めば費用対効果はまあまあかな、という印象。
      近くに居たら見てあげられるんだけどな〜

  2. Turn-X

    自己管理とはよく言われるけれども、それができれば世の中で体調が悪くなる人はほとんどいなくなるわけで、難しいところですね。本当ならゆっくり休めばいいんだけど、忙しくてそれができないときは本当にしんどいですよね。ただまあ、あまり無理はなさらぬよう。
    ベスパに関しては、直すならそれなりの金額を覚悟する必要があるとは考えています。それでも一度は体験してみたい車種だと考えているから、やるなら75ccへのボアアップ等のライトチューンもセットでするつもりです。書類チューンも終わっている事だし(笑)。
    まあしかし、趣味全般何でもそうですけど、昔古典で習ったように少しの事にも先達はあらまほしきことなり、ですね(笑)。つくづく。

    • ヨコチン Post author

      全く。そしてそれにインターネットで割に簡単にアクセス出来るご時世だからね。上手く使えば実に便利な反面、先達が遺してくれた情報だけ読んで知った気、出来る気になっちゃうのもなんだかなあ、という感じなので、やっぱり自分で実際に体験してみないとね。
      という訳で、当方もエンジンいじりたいなぁと画策してるんだけど、オイル漏れの酷い今のET-3をケース割って直すか、新規に増車するかで悩んでいます。快速V50をイチから作るか(自分で作業すればコストは大してかからない)、でも増車するならラージだよなぁ、とか。まあ当分は退屈しなさそうではあるね。笑

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