P200Eも復活 / Teardrops「気をつけろ」

熊本のベローチェ・スクーターズさんに修理を依頼していたPパイセンのステーターが修理を終えて戻ってきた。忙しそうな中、迅速に対応して頂いて感謝なのです。

今回の記事の元ネタです。


修理の依頼内容は、ボロボロだった配線の引き直しと、予防整備でピックアップ、エキサイター(チャージ)各コイルの交換。コイル類は機能していても交換をお願いした。せっかく遠方に送るのだからね。
配線は国産のものを使い綺麗に引き直されている。




ベローチェさん曰く、エキサイターは大丈夫だったけどピックアップは怪しかった、との事。しかしこのイタリア製の配線のボロい事…。ET-3もそうだったけど、旧いイタリア製のスクーターを手に入れたらこの辺にしっかり手を入れなければならないという事なんだろうな。
ベローチェさんもインスタで修理の様子をアップしてくれてたんだけど、僕も組み付ける前に一応各配線間の抵抗値をチェック。バッチリOK。よーし。

で、サクッと組み付け、緊張のキック。余裕のキック一発始動。おー、すげえ。

が、ギアを入れて走り出すとエンジンが吹けない。ボボボと失火してしまう。ん?点火時期ズレてるのか??確認してみっか。




という事でマグネットスタンドにダイヤルメーターをセットし、上死点を出し…





円周分度器でBTDCの位置をマーキング。P200Eの場合、BTDCは23度。BTDCの位置の線が変に太いのは見逃してください。

が、タイミングライトを当ててみると点火時期はバッチリ出ている。んー?どういう事??
蒸し暑い中、しばし腕を組んで考えてみたがさっぱり分からない。始動性は良好、空吹かしで吹ける感じもいいんだがある一定の回転数から上が上がらない。

仕方ないのでベローチェさんに問い合わせてみると、色んな要因は考えられるけど、症状はピックアップ不良のそれだから、ちょっと交換してみてもらえます?との事。了解ですありがとうございます、と手持ちのピックアップの中で一番抵抗値がマトモだった奴を組んでみると…吹けるようになった。うぇーい。


ピックアップはピアジオ純正品を組んでくれたみたいなんだけど、それの初期不良だったんだね。抵抗値が正常でもちゃんと動作しない事もあるんだな。
車体に付けての動作確認も出来ないステーター単体での修理を依頼して、数値的には正常な値が出ていたのだからこれは仕方ない。逆にこういう方法で修理を依頼するのであればこちらの方でもこの程度のエラーに対応出来なければならないよね。問い合わせにも丁寧に応対して頂いたし、大満足の修理でした。




雲行きが怪しかったが試走に出掛ける。僕は雨には当たらなかったが途中から道路が濡れてて、家から30分くらいのところにあるダム湖周辺は結構降ったみたいだった。湿ったむっとした風の中に感じる夏の匂い。今年も僕が大好きな季節がやってきた。

吹け上がりは以前と比べると全然良くなった。半分千切れかかった配線を引き直してもらったんだから当然だけど、めっちゃ気持ちよく走れる。
交通量の少ない田舎道を、制限速度プラスαくらいのスピードで流すのはやっぱりとても気持ちいい。ディスクバルブの2ストローク、という前時代的なエンジン形式だけど、排気量もそこそこあるので流れに乗れないという事はなく、その気になればそれをリード出来るくらいにはスピードも出るし、何よりも走るのが面白い。今年の盆はがっつり休む予定なので隣県辺りまで走りに行こう。

やっぱりベスパは楽しいなあ。あと2台くらい欲しくなっちゃうね、フルチューンの50sと、ガチの旧車とか。あーヤバい。




これで先月から我が家のバイク達を襲った怒涛の電装系トラブルは全て解決した。助力頂いた方々には最大限の感謝をしたいと思います。ありがとうございました。




なんか変な大人になっちゃったよなー、なんでこんなになっちゃったんだろう?なんてたまに自分で思うけど、高校3年生の時に買った一枚の7inchシングルレコードが大きな原因のひとつだった事に数年前に気付いた。当時はそんな意識なかったんだけどね。

山口冨士夫さん率いるTeardrops「気をつけろ」。

山口冨士夫さん。イギリス人(確か軍人)の父親と日本人の母を持つ混血のギタリスト。孤児院育ちの本物の不良。そんな氏が’89年にティアドロップス名義でリリースした曲。

今聴くと楽曲としてはそんな大した曲じゃないよなあとも思うけど、何故かこれを初めて聴いた18歳の僕の心に深く深く刺さったんだね。この曲と冨士夫さんの人となりによって、僕の中に「心優しいロクデナシ」が一番カッコいいという価値観、というか美意識だね、が、がっつりと刻まれた。そしてその棘は今だに抜けていない。この曲の事は初めて聴いた時からずうっと好きだった。今も大好き。

人に優しく出来るくらい強くなれたのなんてそれからずっとずっと先の事だったけどね。


冨士夫さんがロクデナシだった所以は、ドラッグ癖。しかもヘロインだったんだよね、史上最悪とも言われるハードドラッグ。それこそ僕が高校生の頃、仲間のスタイリストなんかと一緒にパクられてもいるはずだ。新聞で、逮捕された時の記事読んだの覚えてる。
数年前に冨士夫さんが亡くなった時を境にYouTubeで氏関連の動画がかなりの数削除されてしまい、いい動画もたくさん観られなくなったんだけど、どっぷりストーンしている状態でギター弾いてる動画のまあ何と多かった事か。大麻ごときで大騒ぎしている現代じゃ考えられないね。

確かにロクでもない癖を持った人だったけど。でもね、「法律を犯さない狭量な人間」よりもこういう人の方がよっぽど人肌があって好き。極端な二元論だって分かって書いてるけど、僕は絶対にそう。


この7inch、失くしちゃったんだよなあ。大切にしてたのに。買い直そうと思えば出来るんだろうけどレコードプレイヤーも持っていない。僕はCDで音源持ってるけど、前述の通り冨士夫さん関連の動画って結構な確率で削除されるし、このチャンネル中古レコード屋のチャンネルだから売れたらUP主が削除するかも。
聴きたい方は今のうちにどうぞ。






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