リコイルでVespaの修理

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相変わらず毎日楽しくベスパに乗っている。通勤とか通院とか買い物とかほとんどこれ一台でこなしているから、クラウンには雨の日くらいしか乗らなくなってしまった。
SRは以前から街乗りには使っていなかったけど、こう乗り物が増えてくると身体がひとつなのが恨めしいというかもどかしいというか。でも今一番生活に密着している乗り物はこの錆びたスクーターだ。もうこのブログのメインのコンテンツでいいんじゃないかってくらい気持ち的に入れ込んでもいる。

そんなわけで、今までやっつけでこんなモンかな、で乗っていた色んな細かい不具合を、懐具合と相談しながら直したり道具を揃えたりしているんだけど、今日はリコイルを使って少し排気漏れしていたマフラーとネジ山が怪しかったミッションのドレン穴の修理。

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リコイル(RECOIL)とは何か?一言で言えば、ナメてしまった雌ネジ山を修理するためのキットだ。

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ドリルでナメたネジ山を揉んで広げ、タップでワンサイズ大きなネジ山を切り、新たなネジ山となるコイル状のインサートを入れるとネジ山を修理出来るというもの。このセット(電動ドリルは別途必要)で一連の作業が出来るという優れもの。
聞くところによると、同様のキットが他に何種類かあるらしいんだけど、リコイルが一番使いやすいとのこと。

今回僕が買ったのはこのM8-1,25のキット。

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まずは失敗してもリカバリーが効くマフラーで練習する。このエキパイとマフラーを繋ぐフランジのネジ山が錆で崩壊しかかっていたのだ。
マフラーを取り外し、付属の歯を電動ドリルに装着し穴を広げ、タップを立てる。

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このET3の純正マフラー、結構いい鉄を使っているようで穴を拡げるのもタップを立てるのも硬くて難儀したけど何とか修理完了。

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熱が伝わる部分なので、今回はLOCTITEのネジゆるみ止め剤を塗布してからインサートを挿入、ボルトには耐熱グリスを使用。マフラーは結構頻繁に外すので、せっかく修理したネジ山を大事に使いたかったから。

LOCTITEのゆるみ止め剤には色々な種類があるのだけど、#243は中強度タイプ。今回だけじゃなく色んなケースで使いたかったので。強強度の、2度と緩んで欲しくないネジ用(#263)とかも売られているんだけど、そういうネジには今まであまり出会って来なかった気がするし。

耐熱グリスには同じLOCTITE社のものを選択。摂氏982℃まで使用可、アメリカ軍規格認定品だそうな。いわゆるミルスペックって奴ですな。萌えるわ〜。機械いじりが好きな男はこういうスペックをおかずに白米が食える。そういう男性に恋をしている女性は覚えておいたほうがいい。

で、無事組み上げて試運転。排気音はマイルドになってトルク感が増した。いいねー。

 

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マフラーの修理が何とか上手くいったので、おもむろにタイヤを枕にベスパを押し倒す。今気付いたけどホームセンターで買ってきた荷物積んだままだった。。

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倒さないとドレン穴にドリルを刺せないのよね。ちなみに昔どこかで聞いたのだけど、ガソリンが適度に減っていればベスパはこっち方向に倒す分には問題がない仕組みになっているらしい。だから多少乱暴に見えても意外と正攻法なのだ。燃料コックだけオフにするのを忘れずに。

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ドリルで揉んだ穴にタップを立てて…

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インサート用のネジ山を作り…

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工具にセットして挿入。

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うっしゃ、バッチリなんじゃね?

 

オイルを注入して作業終了。ちなみにミッションオイルはホームセンターオリジナルのバイク用10w-40(鉱物油)を使用。大昔に成川(ベスパの輸入代理店)の社員の方々に色々聞きまくるという対談記事を雑誌で読んだことがあって、その時に成川の人が「ミッションには10w-40の鉱物油を入れて下さい」と言っていたのを覚えていたので。ただでさえオイル漏れが激しいエンジンなのに合成油なんて使う勇気ないし。
だし、クラッチ板との相性だけ気にすればそんなに負荷がかかるエンジンでもないし問題ないのかな、という判断。パワーもそんなにないエンジンだし、硬いハイポイドも必要ないでしょ。

 

というわけで本日の作業終了。文章に向かうテンション低いので画像多めでお送りしました。
あ、ブログ村のカテゴリ変えました、やっぱりこれからはベスパをこのblogの(リアルの生活でも)主軸に据えます。ベスパ関連の過去記事はそのうちまとめて「Vespaカテゴリ」を新設して移動します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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6 comments on “リコイルでVespaの修理

  1. Turn-X

    そちらの方では大きな地震があったようですが大丈夫だったでしょうか?
    最近は普通のスクーターでさえ町中でめっきり見なくなりましたが、車だけでなく原付も1台あると非常に便利なんですけどね(普通の人は普段何で移動しているのだろうか?)。
    ついでに趣味人としては普段使いの物だからこそこだわりたいところはありますね。
    リコイルはうまく施工すると元のねじ穴よりも強度が上がったりするそうですが、幸いにしてというか自分で試す機会は今までありませんでしたので参考になります。
    マフラー等の高熱になるボルトに焼き付き防止用のグリスを塗る事は、確実に効果がありますね。
    今手元に現物がないので確認できませんが、自分が使っているのもロックタイトの物だったような。
    こちらもアシに使う自転車の手直しが完了したので(というか店に丸投げ)、年末年始に使いつつ細かいところをいじっていきたいと思っています。

    • ヨコチン Post author

      地震は盛岡は全然大丈夫、福島、宮城の沿岸で津波が発生したみたいだけど大事には至らず。でもあの朝は大騒ぎだったよね。
      マフラーはただのフランジだったんで別にリコイルなんて使わずにネジ山ドリルですっかり揉んで貫通ボルトナットで締めてやっても良かったんだけど、同じM8-1.25ピッチだったんで練習がてら施工してみました。ドリルの下穴開けだけ注意すれば施工は簡単だね、後は耐久性かな、リアタイヤ外すのにマフラー脱着は必須なので結構頻繁に外すのよね、追って報告します。
      やべーBD-3また放置プレイ一歩手前だ>< ディレイラーのワイヤー交換と調整ってやった事ないから腰が重い重い。部品はもう随分前に手元にあるんだけどね。ぼやっとしているうちに季節は冬だよ。。

  2. Turn-X

    とりあえず大事無かったようで何よりでした。
    ディレーラーのワイヤー調整は自分の経験上(といってもやったのはかなり前ですが)、近年のものはかなり難しいです。
    7速なら何とかなりましたが、9速はうまくいかずに結局自転車屋に任せたような思い出が。
    それで今回も自分は丸投げしました。
    なので、自分で経験してみたいというのでなければ、プロに任せるのが利口だと思います。
    まあ、いっぺんやってみるのもそれはそれで楽しいかもしれませんが。
    しかし急に寒くなったので、そちらで屋外の作業はそろそろ厳しいかもしれませんね。

    • ヨコチン Post author

      なるほど、ありがとう。ブレーキとシフトの動きが悪くてワイヤーの交換を画策してたんだけど、シフトはプロに依頼する事にするよ。見るからにめんどくさそうだもんな〜笑
      ふくピカで拭いたらすげー綺麗になってさ、今度傷消しワックスで磨いてバリアスコート掛けるわ、自転車はその程度にしておきます。

  3. Turn-X

    自分で作業することを否定するものではないし、例えば長距離・長期間の旅をするような人なら基本的な調整方法は知っておくべきでしょうけど、素人がいきなり最初からやるには現在の機種は少々難易度が高いと思いますね。
    もしやるなら、いきなりネットの記事をあさるのではなく、シマノのHPから該当品か近いスペックの取扱説明書をダウンロードして、基本的な調整方法等を把握するべきでしょう。かなり詳細に書いてあります。
    ただ難しいのは、フレームやディレーラーに歪みがある場合で、これは結構ある話なんですけど、素人が判別するのは困難です。
    また新品のフレームでも、はなから精度が出ていないとか、メーカーの使用想定を超えたディメンション等になっているとかいう事すらある(笑)。
    なので、段数の少ないシンプルな機種で練習するか、調子がいまいちの時に微調整の練習をするあたりから始めた方がよいでしょうね。できれば。

    • ヨコチン Post author

      や、もうスキル上げようとか思わないよ、自転車に関しては。試行錯誤する時間があったら乗りたい。ベスパだって本当はそうなんだけど、アレはいじってくれる店が無い。半ば仕方なく自分でいじってる。
      ただワイヤー一本だからね~要は張り具合だけの調整な訳でしょ?出来んじゃね?とか安易に考えてしまったんだけどそういう訳ではなさそうね。。確か市内にパーツ持ち込みOKのお店があったと思うのでお任せするよ。

      ベスパは「仕方なく」が楽しくなってきつつあるんだけどね。笑

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