初期衝動

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6月も終わろうとするタイミングでようやく梅雨入り宣言が出た盛岡には、宣言が出た途端にカラッとした晴れた空が広がった。この稼業、こういう天気の日が一番暇なんだよな、参るよな、なんて呟きながらiPhone片手にWebを徘徊していたら、巡り巡ってギターウルフのセイジのblogに辿り着いたのが昨日の話。

ギターウルフ、日本のガレージ・ロックの雄だ。小難しい理屈とか全然関係ない、気合一発のみのラウドでジャンクなR&Rを演奏するバンド。そのサウンドは日本のみならず海外でも評価が高い。ジョン・スペンサーだったかソニックユースだったか忘れたけど、海外の有名なラウドロックのバンドが来日公演のオープニングアクトを依頼したところ「あぁ、◯◯?知らねぇなぁ〜」と断られたという嘘だか本当だか分からない噂話も聞いた事がある、サウンド同様普段の言動もちょっとイカれたところがあるバンドだ。

ちなみにこんなバンドです。久しぶりに観たけどカッコイイね。

ギターウルフ/環七フィーバー

そのギターウルフのフロントマンで、楽曲も全部書いているというセイジがどんなの書くんだろう、真面目にライブの宣伝とかしてたらちょっと可笑しいな、なんて思いながら最新の文章へのリンクをタップすると、iPhoneの画面に一瞬の間を置いて表示されたのは、ギターウルフのバンドサウンドとは似ても似つかないものだった。

Guitar Wolf SEIJI OFFICIAL BLOG「フジヤマシャウト」

へぇ〜、こういうの書くんだ。まるで純文学作家が書いたエッセイの様な、独特のリズムと行間に気持ちのいい空白がある淡々とした文章。最近夢中になって読んでいる絲山秋子女史の文章にも通じる、凛としていながらも押し付けがましくなく、読み手の心に想像力が働く余地を残す文体。一読していっぺんに好きになった。

…僕は自分の持っていない、しかも自分の欲しいものを持っている人や、その人が為す表現に触れた時に、激しく憧れの感情を抱く。自分もそういう人になりたい、そういう表現をしてみたい。いつの間にか45年も生きてしまった僕だけど、そんな、まるで中学二年生の様な衝動は未だ心の中に息づいている。そんな初期衝動を直撃で刺激された文章だった。45歳にもなって初期衝動もねぇだろ、って思ったりもするが、それが僕なんだから仕方ない。

聞いた話なんだけど、人が文筆家を目指す時、他人が書いた文章を書き写す作業をする事もあるんだってね。ギターで好きなフレーズをコピーするみたいな感じなのだろうか。正直文章の事は良く分からないけど、過去に他人のフレーズをコピーしてみなかったギタリストなんていないだろうしね、そういう作業で練習を重ねていってやがて指も動く様になり、そこから他人とは違うオリジナリティを作れた人がギタリストとして大成するんだろうか。そう考えればなんとなく分かる気がする話だ。僕は文章で食っていこうなんて流石に思ってはいないのでそこまではしないけど、セイジのblogは時間がある時に過去ログ読み返してみよう。

そんな、高校生の頃ラモーンズ聴いて「ああ、ロックバンドってカッコいい!オレも演りたい!」って単純に思った様な気持ちを思い出させてくれたいい文章だった。少し恥ずかしいけど、勢いで告白してしまおう。正直、僕もこんな文章書いてみたいです。ハイ。あー恥ずかしい。

そういえばセイジもラモーンズ好きなんじゃなかったっけかな。

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